表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/19

決着


 倒れたままの秋穂が、CZを連射するが、ヴァンパイアの腕に1発当たっただけだ。銀の弾丸でも、急所に当たらなければ意味が無い。

 屋上から飛び出そうとしたレイの肩を、アルセクトが掴んだ。

「まだ、彼女は諦めていない」

 レイがアルセクトを睨む。

「離せ。これ以上は我慢できない」

 アルセクトは、あっさりレイの肩を離した。

「まあ、約束だからな」

 レイが屋上から飛び降りた。アルセクトもそれを追う。

 ヴァンパイアと秋穂の間にレイ。ヴァンパイアの背後にアルセクトが降り立つ。

「邪魔をするな!!」

 ヴァンパイアが吼えた。

「そうはいかなくてね。彼女をやらせる訳にはいかない」

 金色の瞳をしたレイが秋穂を守るようにして立つ。

「貴様はやりすぎた。ここで始末させてもらう」

 アルセクトが静かに告げる。

 ヴァンパイアが笑った。

「原種と主人か。だが、戦い方によっては……」

 ヴァンパイアは、右手に持ったグロッグをレイにむける。グロッグは秋穂のものだ。

「便利な道具は、使わせてもらわないとな…… ぐっぐわわわぁ!。な、なんだ?こ、小娘!き、貴様、何をした!」

 ヴァンパイアの右腕が、グロッグを握ったまま、白い煙をあげてポトリと地面に落ちた。あっという間に落ちた腕が溶け、赤黒い液体に変わる。それだけにとどまらずヴァンパイアの全身から白煙が上がる。

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ、あ、熱い。身体が…… 俺の身体が」

 ヴァンパイアの顔が溶け崩れる。そして、赤黒い液体が地面に滴り落ちた。まるで、映画でも見ているような光景だ。3分後にはヴァンパイアは跡形もなく溶けてしまった。

「……どういうことだ?」

 アルセクトが呆然として、レイに訊ねた。

「さあな。心当たりがあるとしたら、CZには試作品の銀の弾丸が装填してあったはずだ」

 レイは秋穂を抱き起こしながら言った。痛みで気絶しているその右手には、投げナイフがしっかりと握られている。

「無茶をする。これで戦うつもりだったのか秋穂」

 秋穂を見つめるレイの顔は優しい。

「なかなか、気の強いお嬢さんらしいな。レイ、覚えておけ。美月はもういないぞ」

「わかっている……」

 アルセクトは、にやりと笑った。

「私のねぐらは昔と変わらない。気が向いたら訊ねて来い」

「いかねぇよ」

 レイが返事を返した時には、アルセクトの姿は無かった。遠くからパトカーと救急車のサイレンの音が聞こえた。


今回はラストまで連続更新です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ