ハンターショップ斬
「いらっしゃいませ」
静かな店内に、店員の声が響いた。それ程広くない、ハンターショップ『斬』の壁には、売り物のナイフが展示してある。すべて、オリジナルだ。
「店長いる?」
店員に聞いたが不在だそうだ。30分程で戻るとのことだったので、待つことにした。
壁のナイフの1本を手にして見ているレイに、声を掛けた。
「ほしい物ある?」
「いや、新たに欲しい物はないが、これと同じ物を作れるか?」
そう言って、投げナイフを取り出して見せた。店員に見せると、「多分、大丈夫だと思いますが、返事は店長が帰ってきてからでいいですか?」とのことだった。問題は無い。どのみち、店長を待っているのだ。
私はレジ横のイスに腰掛けて、店員とレイのやり取りを眺めることにした。
店員は銃を何丁か取り出し薦めているが、レイは関心なさそうだ。
「やあ、いらっしゃい。ナイフ1本から、対戦車ランチャーまで、なんでもそろえて見せますよ」
店に入ってきたスキンヘッドにサングラスの男がレイに声をかける。
「店長、彼は私の助手なの」
「そうなの?秋穂ちゃん」
私が頷いたのを見て店長はレイに向き直り、白い歯を見せて笑う。
「よし、好きなものを選びな。勉強させてもらうから。それから、秋穂ちゃん、注文の品届いているよ」
そう言って、小脇に抱えた包みを渡してくれた。包みを開けると、中には、『グロッグ18C』が2丁出てきた。セミ・フルオート兼用のマシンピストルだ。前回の教訓を生かして、弾丸をバラ撒け、携帯性の高い銃として選んだ。射撃訓練も、ここ1週間みっちりやった。
「あとは、銀の弾丸が5箱…サービスにもう1箱つけて6箱。射撃訓練の費用を入れて、全部で150万クレジットでどう?」
「ええ、いいわよ。現金で払うわ」
バックから現金を取り出し店員に支払う。
「ああ、いいかな店長?これと同じ物を作れないか?」
レイが投げナイフを、店長に渡す。ナイフを受け取った店長は、ニカッと笑った。
「なかなかいいものだね。10本1セットでなら、40万クレジットで引き受けるよ。納期は5日」
「壁のナイフは、全部店長の作品か?」
「ああそうだ。刃から仕上げまで、すべて俺がやっている。それがどうかしたか?」
「いや、なんでもない。言い値で払うよ」
私は、店員に更に40万クレジット支払う。
「はい、前払いで。領収書お願いね」
「秋穂。自分で払う。そのくらいは持っているから」
しかし、私はレイ言葉を、無視することにした。
「経費よ。経費」
支払いを済まし、領収書を受け取ると、18時をまわっていた。今から『リーフ』に行けば、夕食にちょうどいい時間だ。
「店長。レイのナイフお願いします」
そう言って、店を出ようとした私を、店長が呼びとめ、弾丸の入った箱をくれた。
「お守り代わりだ。試作品だけど、CZにでも装填しておくといい」
「ありがとう店長」
私は、店長の厚意を素直に受け取ることにした。
怪しげな武器屋「斬」でのヒトコマでした。
店長のモデルはシティハンターの海坊主さんです。(笑
次回はとうとう仕事に入ります。
がんばろー(笑




