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エピローグ
一夜明け、店に入った綾瀬は、我が目を疑った。
「キミにしては遅かったじゃないか」
綺麗に磨かれたテーブル、綾瀬が持参した花瓶にはアサガオが活けられ、花弁についた水滴が日に照らされ輝いて見えた。
「これ、キミがやったの?」
いつものだらだらとしている御子柴を想像して入ったのに、今日はどうしたというのだろうか。あの御子柴が自ら率先して掃除をして花まで活けているのだ。
これで驚くなというには無理がある。
「さて、珈琲屋さん開店だ」
「えっ?お、おー」
それと同時にいつもと同じようにだらけた体制に戻り、御子柴は大きな欠伸を一つした。
それを見た綾瀬は、くすりと笑い、店の制服へと着替えた。
喫茶店、珈琲屋さん、間もなく開店です!!