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第十三話:転校生と開幕戦の嵐

「知ってる?転校生が来るんだって」

遙が言った。相変わらず女子は情報伝達が速い。

「へー…」

「反応悪いわね。もっと何かないの?」

「んなこと言われてもなあ…」

『イケメン、秋庭さんが好き、頭良し』の三つがビンゴしてなければ特に言うことはない。

「イケメン、秋庭さんが好き、頭良しがビンゴしてなければいいねえ」

坂下と大河内が僕の耳元で声を揃えて言った。

「!お前ら何故それを!…じゃなくて何言ってんだ!!」

「フッバレバレなんだよ隠したつもりか」

「そういうのを頭隠して恋隠さずって言うんだよな」

微妙に違うぞ?坂下よ。

しかし、その日が嵐の幕開けになるとは、誰も予想していなかった。




カツカツと先生が名前を黒板に書く。


『一崎 清吾』


「今から連れて来ますからねーー…イジメんじゃねえぞ」

先生は穏和な口調を切り換えて、ドスの利いた声で言う。

クラスはお喋りの喧騒で包まれた。

「どんな人かなあ」

「カッコイイといいなあ〜」

話声のほとんどは女子。

「イケメン、秋庭さんが好き、頭良しに千円」

僕らは賭けをやっていた。

「あ、俺も」

…薄情な友人関係だな。

「蓮は?」

「…不細工、秋庭さんを何とも思ってない、頭坂下と同レベルに千円」

「あ〜わかりやすいなあ〜」

「青春ビーム炸裂?」

その時、ドアが開いた。

きゃあああ、と女子の歓声が上がる。

「とりあえずイケメン」

ボソッと坂下が呟いた。

その通り、一崎清吾はイケメンだった。

「一崎清吾です。どうぞよろしく」

赤茶色の長めの髪に、チラッと見せる白い歯。

黄色い歓声がまた一段と増した。

「そうですねー席は…秋庭さんの隣が空いてますねー」

えっ?ちょっと先生、漫画みたいな展開。

それより、秋庭さんの隣ってちょっとちょっと。

一崎は秋庭さんの隣まで歩いて行く。

「よろしく。名前は?」

「あ…秋庭紅葉です。よろしくお願いします」

「秋の庭の紅葉か…」


「とても綺麗な名前だね」


「…ありがとうございます」

秋庭さんは表情にこそ出さないが、嬉しいに違いない。

待て、待て、待て。

ポイント高いぞ今の。

僕がやっと辿りついた距離を、一崎は秋庭さんと会って30秒で到達してしまった。


これはやばい。


僕は全身全霊で感じた。



嵐の―――幕開け。

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