第8話 俺ら、似たもの同士だな。
「ごめんなさい……たちばなかんじくん……!」
わたしは頭を下げた。
「なんで謝るの。アイツらが居たら、余計嫌な気持ちになるでしょ、西嶋さん」
ま、まさか橘くん……わたしを、守ってくれた……?
わたしはびっくりし過ぎて、何も言えなかった。
「ご、ごめんなさい……橘くん、怒ったのかと思った」
「いや、怒ってないし。って言うか、俺ら、似たもの同士だな」
似たもの同士……。
「た、たしかにそうかも……」
気付かなかったけど、その通りだ。
わたしも橘くんも、黙ってるだけで怒ってるって勘違いされちゃうタイプ。
「で、でも、橘くんは、イケメンだし、いつも堂々としてるし、わたしなんかとは、大違いだよ」
「イケメン……?」
橘くんは、不思議そうな顔をしている。
自覚ないんかい。
自覚あるから、その髪型と、ピアスなんじゃないの?
「そんなことより、俺のお菓子、食べたいんだろ?」
お、俺のお菓子……っ!?
『俺のお菓子』って、やば。ツボる。
って、ツボってる場合じゃなかった。
「た、食べたい……!です……っ!橘くんのお菓子、美味しくて美味しくて、忘れられないぐらい美味しくて……!」
さすがに、笑顔の練習のために食べたいのです、とは言えなかった。
美味しくて食べたいと言うのは、嘘じゃないし。
え……っ、まさかいま、笑った?
橘くん、口許ちょっと、緩んでなかった?
もしかして、わたしの言葉に喜んでくれてる?
照れてるのかな?
「今日放課後、時間ある?」
橘くんは、いつもの強面に戻って言った。
えっ、放課後?
「時間、あるある。大丈夫。いつまででも……!」
お菓子欲しさに、思わず前のめりになってしまう。
「じゃあさ、放課後、西教棟の一階に来てくれる?」
「わ、分かった……!西教棟ね……!」




