第8話 大学院の圧力と、がれきの宴
目には滅を!歯には破を!渡神大学編
第8話 大学院の圧力と、がれきの宴
4年生の冬が近づく頃、渡神大学の空気は重く淀んでいた。藤野たちはこれまでの闇退治で、大学内に確かな影響力を及ぼしていた。学生寮の崩壊、教職支援担当の廃止――それらは生徒たちの間で伝説となり、能力者チームは「闇狩り」と陰で呼ばれるようになった。だが、最後の敵が動き出した。大学院教授7人衆。古株の教授たち。平穏と体制の維持を信条に、大学を変える波乱を嫌う。藤野は大学院進学を希望していた。研究テーマは、写真を通じた文化継承。口頭試問の日。試問室。一人になった瞬間、7人の教授が囲む。「藤野君。この大学で起きている波乱は、君のせいだ。」「長く居られては困る。この先も、だ。」圧力。大学院に来るな、という露骨な拒否。理由は「適性なし」。だが、本音は現状維持。藤野の闇退治が、大学の古い体質を揺るがせたから。藤野は静かに頭を下げた。「……わかりました。進学、辞退します。」教授たちは安堵の表情。藤野は悟った。この大学に残っても、古株の壁は厚い。大学院に進学する価値はない。他大学への進路を決める。チームに報告。西村が腹黒く笑う。「抑えろ、藤野。卒業後、ぶちかますんだろ?」河西の茶占い。「予知……4月1日、宴会。そして、崩壊。」井上の運。「皮肉な結末、引き寄せた。」卒業式の日。藤野はカメラで、仲間たちを撮った。最後のキャンパス写真。皆の笑顔が、輝く。卒業証書を受け取り、大学というしがらみが外れた。そして、翌日――4月1日。大学では、教授陣の宴会。古い講堂で、定年近い教授7人衆を中心に、関係者が集う。春の新学期を祝う、華やかな席。外は、突然の雨。そして、地震。大地震。古くて耐震性のない建物が、激しく揺れる。講堂の梁が崩れ、壁が落ちる。教授7人衆は、宴会の最中、がれきに飲み込まれた。「助け――」叫びは、瓦礫の下に消える。ニュースは「不幸な事故」と報じた。古い建物の耐震不足。新体制の教授たちは無事だったが、古株の7人衆は全員、重傷か死亡。藤野は遠くの街で、ニュースを見る。「皮肉だな……現状維持を願った人たちが、古い建物と共に。」西村から連絡。「終わったな。がれきの宴、か。」奈良友もメッセージ。「お疲れ。新しい道、頑張れ。」藤野はカメラを手に、新しい街を撮り始める。他大学の大学院へ進む道を選んだ。渡神大学の闇は、すべて滅んだ。古い考えは、がれきと共に埋もれた。穢れのない風が、キャンパスを吹き抜ける。藤野の大学生活は、静かに幕を閉じた。新しい地平で、写真は続く。完




