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第1話 古き神のキャンパスと、カラスの影

目には滅を!歯には破を!渡神大学編 

第1話 古き神のキャンパスと、カラスの影

春の伊勢路は、穏やかな陽光に満ちていた。藤野は、渡神大学の正門をくぐった。古くからある伝統校、神に近いと称されるこの大学は、日本の歴史や文化を学ぶ学生が多い。キャンパスは高台にあり、海が遠くに見える。登録有形文化財の講堂や、博物館のような建物が並び、桜の花びらが石畳を優しく覆っていた。「ここが、新しいスタートか……。」藤野はカメラを手に、キャンパスの風景を撮った。高校時代の復讐は終わり、穢れのない日常を求めてこの大学を選んだ。日本史の学科のある文学部。日本史の勉強ができるだ。オリエンテーションで、同じ学科の西村と出会う。怠惰で腹黒い浪費癖の男。高級料亭によく通い、学費を模型や食費に溶かすらしい。だが、触れた金属を溶かして錬成する能力者。「よお、藤野。俺、西村。よろしくな。……ところで、金貸してくれよ。昨日また料亭で散財しちまって。」藤野は苦笑しつつ、意気投合。西村は相棒のような存在感で、すぐに藤野を巻き込む。授業が始まり、仲間が増える。工藤――賢いが寝坊癖がある論理的な男。「お話にならないが」が口癖。真相を調べて追求する能力者でもある。河西会長――中間管理職的自称社畜。働き過ぎで心配だが総務会長を1年生からやっている。粉末茶で占い予知をする能力者である。井上部長――賭け事強い美術部部長。運を引き寄せる能力者である。中村――旅行好きネット民。事実を広く速く知らせる能力。そして、田中――高校時代からの仲間。サイコロから確率操作へ進化した男。再会を喜び、すぐにチームに加わる。「藤野、また闇退治か? 大学じゃ平和だろ。」田中の言葉に、藤野は笑う。「そうだな。普通の大学生活を楽しみたい。」最初は本当に穏やかだった。サークル活動、旅行計画、写真撮影。西村と高級料亭の話で盛り上がり、河西の茶占いで運勢を占う。井上は運でパチンコに勝ち、中村がネットで情報を共有。だが、ある日、異変が起きた。キャンパス周辺のカラス被害。食べ物を奪い、糞害がひどい。鳥獣保護法で殺処分できない。学生たちは悩まされていた。「また弁当取られた……。」工藤がぼやく。河西が茶を粉末で占う。「カラスの巣……近くに多い。卵を……どうにか。」西村が腹黒く笑う。「卵のうちに潰せばいいんじゃね? 命の摘み取り大収穫祭だ。」皆が凍りつくが、藤野が頷く。「非暴力で……自然のサイクルだ。増えすぎを調整するだけ。」計画実行。河西の予知で巣を探し、井上の運で安全確保。田中の確率で発見率アップ。中村がネットで法の盲点を共有。夜のキャンパス。懐中電灯を手に、巣へ。卵を静かに除去。カラスは減り、被害が収まる。「これで平和だ。」だが、大学の闇はここから。古き神の大学に、静かな風が吹く。穢れは、まだ潜む。だが、藤野たちの目は、鋭く光っていた。

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