表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強魔法使いは異世界から帰りたい(リライト版)  作者: やまだ ごんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/19

13.

「魔力制御は、なんて言うか自分の器を意識するんだよ。魔力が入ってる器。わかるだろ?」

 ジェインが言うことはなんとなく理解できる。

 魔力を感じるようになったら、自分の体とは別に魔力の器があるような感覚がある。

 きっと、これが人が持つ魔力の量なんだろう。

 問題なのは、シゲルの魔力はそこから絶えず溢れ出しているということだ。

「シゲルは魔力視の能力があるんだな。さすがエイクを助けただけある」

「魔力って、普通は見えないの?」

「うーん。感じることはできるけど、見ることはできないかな?体温みたいなもんで、こいつの体熱いなとかはわかるけど、どのくらい熱いかなんてわからないだろ?」

 ジェインの例えはとてもよく分かった。ついでに、魔力視の能力が稀有なこともわかった。

「シゲルの魔力が漏れているってことは、入ってくる魔力の量が多すぎるんだよ」

「入ってくる……」

 そう言われてやっとシゲルは完全に理解ができた。

 魔力とは循環しているのだ。呼吸と同じで。

 沢山息を吸えば沢山吐き出さなければならないように、使う以上に魔力を体に取り入れている。

 それが分かると簡単だった。

「できた――」

 2日目には、シゲルの体からは靄のような魔力は出なくなっていた。

「じゃあ次は身体強化だな」

 ジェインがシゲルを教えていると聞いて、まだ狩りに出れなくて暇を持て余していたエイクが、様子を見に来ていたのだ。

「ああそうだな。身体強化はエイクの方がうまいんだ。俺は弓使いだからあんまり身体強化に頼らないし」

「え、その流れって僕は前衛系の役割になるってことだよね?こういう時って普通君から弓を教わるんじゃないの?」

「ごめん。ちょっと何言ってるかわからないや」

 ジェインの笑顔は、とても素直だった。


「筋肉に力を入れる時に魔力をぐっと入れるんだよ」

 エイクの説明はとても理解ができなかった。

 ジェインに魔力制御を教わるために、アーノンからエイク達にシゲルの事情を説明してもらったが、エイク達は驚くほどすんなりと受け入れてくれた。

 そして、パージとアーノンが狩りに行く間、交代でシゲルの修行を付けてくれると言い出したのだ。

 それを聞いた時、シゲルはなんとなく嫌な予感がしたが、予感というものはあたるものだ。

「とりあえず実践してみたらわかるだろ」

「は――?」

「俺は魔力を使わないでやるから、お前は身体強化をして躱せ」

「躱せって――なんでお前は剣を構えてるんだ」

 言い終わる前に、シゲルのすぐ左側を剣が掠った。

「ちゃんと躱せよ。次は当てるぞ」

「そんなもん避けられるわけないだろ!殺す気か!」

 シゲルが怒ると、エイクは少しだけしゅんとした顔を見せたが、思いついたように剣を置くと拳を構えた。

「素手なら大丈夫だろ」

 エイクは脳筋だった。


 結局、その日はエイクに殴られただけで終わった。

 パージ達が帰ってくると、また風呂に行き、パージに頭を洗われたが、抵抗する気力も体力も残っていなかった。

「随分殴られたな」

 シゲルの体の痣を見ながらパージは楽しそうだ。アーノンも笑っている。

「あいつ加減してるって言ってたけど、絶対嘘だよ」

 シゲルが愚痴ると、アーノンはシゲルの頭に手を置いた。

「明日は休めばいい。丁度村の奴らからもスクロールを作って欲しいって頼まれたんだ――頼んでいいか?」

 そう言えば、粉挽小屋であった男がそんな事を言っていた。

「いいですけど、僕スクロールの作り方なんて知りませんよ?」

「頼まれてるのは着火と灯りのスクロール、あと攻撃用だな。どれもうちにあるから帰ったら見てみて、作れるようなら頼めるか?」

「わかりました」

 アーノンには衣食住を面倒見てもらっている。あの魔獣の素材が世話代だと言っていたが、記憶にない分はノーカンだ。

 少しでも役に立つのなら、そしてエイクから逃げられるのなら喜んで引き受けたかった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ