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きらめきの乙女は闇に抱かれる  作者: ももんが☆


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12/23

12.王城はむちむちのみなさまがいっぱいです


王城に降り立ったのはジョシュア達だけではなく、むろん、国中から貴族や聖職者が集まってきている。

さざめくような人の話し声が、夜の空気にとけていく。


城の通路には明かりが灯され、ガラスをカッティングしたキャンドルにきらめいている。




この日、キンドリー王太子は花嫁のお披露目会を開かれるのだ。


―――そして、愛妾たちを定める。



フラン王国には国王がおり、その王弟が1人、国王の王妃には1人の男子が、そして愛妾には3人の王子がいた。

王位継承権をもつのは、男だけで、生まれた順にきまっているのだが、国王の王妃が生んだ男子はまだ、4歳、愛妾の生んだ王子がキンドリー様で、最も年齢が高く、今年で17歳になられる王太子様だ。

 

キンドリー様は世継ぎを設けるべく、貿易大国のロレーヌ王国から第一王女であるキミア王女と結婚したばかりだ。

秋晴れの日、国をあげての盛大な式には、他国の王族が列席し、国中がお祝いムードであった。次期国王候補の王太子の結婚なのだから、国中の若い娘たちが、浮き立った歓声を上げる中、パレードが盛大に行われた。


キミア王女はとてもりりしい立ち居振る舞いで、武術の心得もあるとか・・・、今年で14歳だから、早すぎることはないが、まだかなり若いほうだ。絵姿は町中で販売されていて、大人気だ。


凛とした美しさはロレーヌ王国の王女にふさわしい貴位の高さがうかがえる。


この国のしきたりで、王族の血を絶やさないようにという配慮から、早くに婚姻を結び、さらに、世継ぎを複数もうけるために、結婚式の1ヶ月後には愛妾を選択するパーティが盛大に行われるのだ。


(はぁ、ゆううつ。なんで、わたしがお城に・・・。それにキミア様も結婚してすぐに、愛妾とかもたなきゃならないのかしら・・・)


現王妃も愛妾の生んだキンドリー王太子をかわいがりはしていたが、内心は相当複雑なのではないかしら・・・。

王家のごたごたをリリアがいたたまれないと感じるのは、この国は一夫多妻制だからだ。まわりでもその愛憎劇がたえないのだ。


長い通路を右へ左へ、ごつごつした壁に並ぶ衛兵に見守られながら、やっと城の大広間にたどり着く。

大勢のご令嬢はすでに城に入ってしたくしたものがほとんどで、あとから来る者たちは貴族であっても、下級の者達だ。


このパーティには国力を左右するお世継ぎ問題をはらんでいる。だから、妾妃候補以外にも、大臣や高官、聖職者といった様々な顔ぶれが参加している。

次の覇権をにぎるのは誰なのか見定める会でもあるのだ。


(――――なぜ、わたくしは、ここへ来ることになってしまったのかしら・・・。貧乏暮らしがつらいわね)


ふぅ、とこっそりため息をつく。




そして、わたしはジョシュア様にエスコートされて、「愛妾に選ばれるべく・・・」ということは、相当の無理がある。――なので、愛妾となる方々にこの機会にお会いして、その侍女として雇い入れてもらえるよう、今日はがんばらなくてはならないのだ。


(―――たぶんぴったりの役どころだと思うわ)


キンドリー様は豊満な肉体をお持ちの方がお好きだという噂がそこかしこで流布されている。候補として、選ばれていた侯爵の一人娘はさきほどみかけたが、すばらしいスタイルであった。


こぼれんばかりの胸がドレスから見えていたし、成り上がりの商家のお母様が生んだという伯爵家のお嬢様はそれはそれはすばらしい肢体をお持ちで、おしりがぷりっぷりであった。


わたしはというと、いくら豪華な衣装をきているとはいえ、すんごく、すごく残念な貧相な体である。


「万が一にもキンドリー皇太子が目をつけることがないですよ」、というところが、わたしが侍女としてうってつけ、ということなのだ。


だから、この貧相な胸をさらすデザインを選ばざる得ず、すごく、すごくつらい。


なけなしの胸を寄せて、あげて、集めてもこの程度で、さきほどから通り過ぎていく、候補であるところのダイナマイトボディのみなさまからは、鼻であしらわれて、余裕の笑みをかえされていく。こっそり、傷ついたのは秘密だ・・・。


―――これも、あしたの食費のため! おいしいごはんをミシィと食べられる明日のためよ!と、ぐっとおなかに力を入れて耐える。


笑顔はあくまでもつつましく。控えめに、侍女としてのふるまいは完璧にできる、というところを猛アピールするのだ。


けれど、一方の隣のジョシュア様は美女たちからの秋波をこれでもかという位にかぶっている。ううん、むしろおぼれるくらいに浴びているとおもう。さっきから、わざと胸をぶつけてくるお姉さんがたえず、からみつくようにしなだれかかってくる美女のなんと多いことか。


(あ、あなたたち、誰の愛妾に選べれようとして、ここへきてるのよ!)と、叫びたくなるが、貧相な胸のわたしからすると、それをいうのも立場違いで、なんだか憤懣やるかたない。

 

(まぁ、でもこんな美男はそうはいないから、―――すこしはわかる。中身はねずみのぬいぐるみにほおずりする男だけど・・・)


広間にたどり着くと人いきれで暑い。香水の香りが充満していて、人並みに酔いそうだ。


大きな広間は奥の壁まで見通せないほど広く、奥に貴賓席が据えられていた。そこに、王太子と王太子妃が座っているようだ。


ジョシュア様と一緒に大広間にはいることはできたが、ここからでは奥の方にいる有力貴族には遠く及ばない。ちらり、壁際に目をやると、豪華な花々がいけられており、おいしそうなスイーツが宝石箱のようにならんでいた。


(どれか、ひとつだけでも食べられないかしら・・・)


物欲しそうな目でみていると、ジョシュア様に頬に手を添えられて、目を合わせられた。


「君はほんとうにおいしいものに目がないな・・・。僕と今度は王都のスイーツ店めぐりをしよう」


「まぁ、それはうれしいですわ。わたくし、お給金をたんまりいただいて、あなたにごちそうできるようになりますわね」


にーっこり。


わたしと、ジョシュア様は恋人設定で、花嫁修業のため、わたしはしばらく侍女として、雇い入れてもらおうという設定なのだ。


「でも、ひとつくらい食べてみても・・・」

「だめ、ぼくがそのかわり甘ーい口づけをあげようか」

 ジョシュア様の猛烈な色気に、あたりから、悲鳴があがる。わたしは真っ赤になって、うつむいた。


ちゅっ。


おでこにキスをおとされて、びっくりして上を向くと、

「ほら、そんなうるんだ目でみられると、我慢できなくなるな・・・」


となりで、どさっと人が倒れる音がした気がする。

でも、がっちり頬をホールドされているせいで、視線はジョシュア様のいたずらっぽい目に釘づけだ。


(ま、まさか、ここでも、あまあまな恋人設定だったなんて・・・)



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