第4話 潜入2
私は跳躍して後ろへ飛んだ。
何とか爆発に巻き込まれずにすんだ私は、地面を転がって素早く立ち上がる。
もしも魔法紋が反応しなければ、私は殺られていた。
目の前には、私にフレイムアローを放った暗黒魔導士がいた。
「この、魔法も使えぬ小娘がー」
そう言って暗黒魔導士はフレイムアローを4発放った。
水魔法の腕輪と透明になれるマントの2つを失った今、攻撃魔法の撃ち合いによる遠距離戦は私にとっては不利だ。
私はナイフを4本取り出すと、フレイムアローめがけて投げつける。
フレイムアローが4弾とも爆発する。
私は爆煙の中を走り抜け、突っ切ると魔導士に電撃のパンチを放つ。
魔導士は魔法の障壁を作ると、そのパンチを防ぐ。
そして滑るように背後に逃げると、壁の中へと溶け込んで消えていく。
「逃すか!!」
私はアイテムボックスから巨大なハンマーを取り出し、テコの原理で大振りで一回転して壁をぶち壊す。
壁に大きな穴が空き、走る暗黒魔導士が見える。
「クッ 」
暗黒魔導士がこちらをチラリと見て、悔しがる。
私は穴を通って魔導士を追いかけた。
暗黒魔導士を追って螺旋階段を駆け上がると、私は城の屋上に出た。
屋上にはリバンドンの都市と山脈が広がっている。
「もう逃げ道はないわよ!! 」
暗黒魔導士は氷の矢、アイスアローを発射する。
私はナイフを投げるがアイスアローに弾かれ、アイスアローが私の右腕をかすめる。
アイスアローは氷の矢なので、当然の事ながらフレイムボールのように誘爆したりしない。
「 ッツ!!」
右腕から血しぶきが出る。
魔導士はさらに4本のアイスアローを発射した。
私は怯まずに、暗黒魔導士に向って走り抜ける。
そして、アイテムボックスから剣を取り出すと、その剣で4本のアイスアローを弾き飛ばした。
「グゥゥウウウ。小癪な〜!! 」
魔導士は唸ると、今度は杖を天空に掲げる。
上空で暗雲が立ち込め、雷が私に向って落下してくる。
私は城の屋上を走り続けながら、剣を空に放り投げる。
空中に投げた剣に雷が落下して、雷光が頭上を駆け巡る。
剣を捨て、素手になった私は、暗黒魔導士に向って一直線に走り抜ける。
暗黒魔導士が杖を振り下ろす。
私はその振り下ろされる杖に向って、手刀を真横に振る。
天才美少女空手家である私の手刀は、魔導士の杖を真っ二つにする。
「何ぃイイイ!! 」
動揺する魔導士に、回し蹴りを放つ。
魔導士は蹴り飛ばされ、城の屋上から転落して地面に落下していった。
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