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第7話 ウィザードソード

第31話 ウィザードソード

「ウィザードソードよ!!我が魔力を糧にして、灼熱の炎を灯せ!!」

メノウは呪文を詠唱すると、魔法剣で敵を切り裂く。

 ウィザードソードがメノウの魔力をエネルギーに変えてくれる。

そして、パワーを与えてくれる。

炎などの魔法剣の効果以外にも、魔力をパワーに変える事ができるのだ。

 「だいぶ慣れてきたわね。

左右袈裟斬り。この2種類の技だけをマスターできたら、後はなんとかなるわ。」

袈裟斬りとは、上段から斜め下に切り下ろす剣技の事である。

 剣道3段の私が彼女に教えた、剣技の中でも最も基本的な技である。

 そして、剣を振るのに1番人体の構造に適した切り方でもある。

 時間がないのでこの斜め切りだけをひたすら練習してもらう。


「ウィザードソード。我が分身よ!!冷気の剣で敵を凍てつかせよ」

メノウは炎の魔法剣に続いて、氷の魔法剣を発動させた。

  さすが魔法使い。

魔法剣の習得速度も早い。

「さすが名家のエリート魔法使いだわ。魔法剣の習得も速いのね 」

 メノウは私の言葉を聞き流してイエロースライムを斬って凍らせた。

 私は空を飛ぶ巨大な蝶々、キングバタフライにナイフを投げつける。

 キングバタフライはレッドやブルーバタフライと違って、より体が巨大で防御力も高い。

 ナイフが一本刺さったくらいではたいしたダメージにはならない。

 私はアイテムボックスから数十本ものナイフを山のように取り出し、次々と投げつける。

 バタフライの羽根にザクザクささり、少しバタフライがふらつき下降し始める。

 私はボックスからムチを取り出し近くの木の枝に巻き付けると、そのバネのような反動で跳躍する。

 そしてアイテムボックスから剣を取り出しその剣でバタフライを斬りつける。

 バタフライから血が噴出し、私が地面に着地した直後落下した。

 「ふうっ、魔法が使えないと大変だわね。あんなの、遠距離魔法の1つや2つ発射すれば簡単に撃墜できるのに。ほんと、お気の毒様 」

メノウが呆れたように言った。

 「いったい誰のせいでほかの魔法が使えないと思ってるの? 」

 私は今3つの魔法具をつけている。

そのうちの2つは身体能力強化の腕輪、スピリトゥス・ブレスレットである。

スピリトゥス・ブレスレットは、付与術と呼ばれる身体能力や肉体を強化する魔法を使う事ができる。

リングのうち、1つは私自身の身体能力を高めるために装備している。

そしてもう1つは、メノウの身体能力を強化するためである。

 3つしか使えない貴重な魔法具だが、今は弱者であるメノウの安全を守る事が第1である。

「使えるっていってもせいぜい2つか3つでしょう。それも魔法具をつかって。バカバカしい」

「エレスと同じこと言うのね?」

「エレス。あのお姫様にずいぶんご執心なのね? 」

「エレスは私の最初のパーティーメンバーにして最高のパートナーよ」

「そう」

「彼女とは、冒険の大半をずっと2人で過ごしてきたわ」

「あなたの特別な人なのね」

そういってメノウはそっと一息つく。

「そう言えば、私も冒険者になって最初の頃はずっとお姉様と2人でパーティーを組んでいたわ。いろいろと教えてもらっていた。こんなふうに、誰かと2人きりで冒険するなんて、ほんと久しぶりだわ」

そう行ってメノウは遠くの空を眺めていた。

きっと姉との思い出に浸っているのだろう。


そうこう話していると、巨大な炎属性を持つトカゲのモンスター、サラマンダーがやってきた。

 サラマンダーはジャンプすると、炎の塊を発射する。

 「アイテムボックス」

 私はボックスの扉である異次元空間を開く。

 その空間の中から、ブルースライムが飛び出して来た。

 私はブルースライムをアイテムボックスの中に収納していたのだ。

そして私は、紅いペンダントを握りしめ、スライムに魔法をかける。

 ピピィィイイイイー

 ブルースライムは口から水鉄砲を発射させると、

炎の塊を蒸発させてしまう。

  

 私が今装備している3つめ魔法具は、魔物や敵などを操る魔法具、操り人形のペンダントである。

操り人形のペンダントは、魔物を操る魔法、マニピュレイトを使う事ができる。

 マニピュレイトは、魔物などの意識にアクセスする事により操る事ができる。

 敵が魔法効果に対して抵抗してくるので、基本魔法耐久性の弱い魔物にしか使えない。

 さらに今度はアイテムボックスから紅い巨大兎のレッドラビットが飛び出して来る。

 私はレッドラビットを操ると、サラマンダーの頭に飛び蹴りを喰らわせる。

 サラマンダーの頭にヒットした蹴りで、サラマンダーが脳震盪を起こしてふらつく。

 「 アクセス!! 」

そう言うと私はサラマンダーの意識に自分の意識を接続し、サラマンダーを操る。

 そして、今度はサラマンダーをボックスに収納する。

 ラビットとスライムも回収すると、私は一息つく。

 「凄いレアなアイテムを持ってるのね?」

メノウが感心した。

「そう?」

私が3つ目の魔法具に操り人形の魔法具を選んだのは、様々な応用が効くからだ。

 使える魔法は敵を操る。

 これだけだが、複数の魔物を操れるため、その魔物の特性を生かして炎や水などの様々な魔法や攻撃が使える。

 弱点は基本レベルの低い魔物しか操れないため、どうしても攻撃力が低い。

 だから使い方や敵との相性を考えて使わなければならない。

「アイテムを使って魔法を使うなんて、私たち魔法使いの名家からしてみたら邪道だわ 」

メノウが嫌な事を言う。


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