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第5話 接続

第18話 接続

次の日、私たちは森を抜け、湖にあるダンジョンの奥へと入っていった。

 途中にいる魔物たちは、エレスと私で倒していった。

 ある理由のために。

「私、正直言って、お姉様たちのことをかなり誤解してました。

 てっきり私、お姉様がたはかなり頭のおかしな方々だと思っていましたから。

 なんか街での噂もあまりよくなかったですし。

 いきなり初日から酒場でほかの冒険者の武器を盗んで、しかもケンカを吹っかけてベテラン冒険者をフルボッコにしたり、街中で昼間っからケンカして魔法をぶっ放したり、ギャンブルを無理矢理催促して不当にも大金を巻き上げたり、でも全部、単なるウワサだったんですね。」

 なんか私たち、ひどい言われようだ。でも、半分以上は間違っていないけど。

 私は冷や汗をかく。

「で、これからどうするの。

 もう、孤児院への仕送りの心配はなくなったでしょう。

 あなたが冒険者をする理由はなくなったでしょう。」

「それはー」

 エレスがそう言うと、フィルがうつむき、立ち止まる。


「来たわよ!」

 エレスの瞳の色が変わった。

 命がけの戦いを予感する瞳だ。

 前方から、様々な種類の魔物が数十匹

 迫ってきた。

 全て上級レベルだ。

 やはりここ1月、強い魔物の出現率が上がっている。

「下がってなさい」

 私はフィルの腕を掴み、後ろへ下がらせる。

「キャッ」

 尻もちをつく彼女に、杖を投げつける。

 彼女は受け取ると、すぐに立ち上がる。

 新人研修の時間は終わったということに気がついたのだろう。

 これからは、真剣勝負だ。

「フィル、あなたは後方で援護して!!

 これからは、プロの修道女としてのあなたに期待しているわよ!!」

「は、はい!!」

「エレスは彼女を守ってあげて、私が敵を撃つわ!!」

「イエス、あなたも、あまり調子に乗らないでね。」

 エレスは彼女の前方にたち、レイピアを構える。

「スピリトゥス」

 私は肉体強化の魔法、スピリトゥスを唱える。

 私の肉体を魔導力の輝きが包み込み、私の身体能力や反射神経などを向上させる。

「ファイヤーボルト!!」

 さらに私は、炎の魔法を唱える。

 前方から炎が出現し、連続で発射される。

 前方から迫りくる十数匹のトンボやクワガタムシなどの巨大な昆虫型の魔物に直撃し、炎で包み込み、消滅させる。

 あれから魔法具による戦闘を繰り返した私は、経験を積み、なんとか2つの魔法具を使えるようになっていた。

 魔法が使えないハンデを克服するため、私は肉体強化の腕輪と炎の指輪の2つを装備している。


 その後ろから、炎の巨大トカゲと呼ばれるサラマンダーが10匹走ってくる。

 炎系属性に強いサラマンダーは、ファイヤーボルトをその赤い皮膚で跳ね返す。 


 私は炎の指輪の効力を解除して、指輪をアイテムボックスに放り込む。

 かわりに、そこから冷気の剣の魔法具、ブリザードソードを取り出した。

 だが、魔法具と精神を接続させるには、数秒かかる。

「 エレス、援護お願い!!」

 了解!!

「エアロ!!」

 エレスが風の魔法を発射する。

 数発の回転する風の流れが接近する4匹のサラマンダーに直撃して、吹き飛ばす。

 その間に、冷気の剣と精神を接続させた私は、その剣で残りのサラマンダーたちを次々と斬りつける。

 6匹のサラマンダーたちが凍りつき、砕け散る。

 バァァアアー 

 前方から、光属性の魔法、ライトニングビームが発射される。

 私の左腕を切り裂き、血しぶきがあがる。

 数十メートル先に、8本の足を持つ蜘蛛型の魔導歩行ロボットが待ち構えていた。

 ビームを発射したのは、中央の巨大なレンズである。

 チッ   私は舌打ちする。

「フィル!!」

 

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