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第10話 相乗効果

 エレスが雷の魔法、サンダーボルトを発射する。

 雷撃がドラゴンに命中し、その巨体が痙攣して悲鳴をあげる。

 そのスキに私は折れた剣を捨てると、ボックスからさらに2本の剣を取り出す。

 肉体強化スピリトゥスの魔法で、私はパワーアップしてるので、2本の剣でも一時的に持つ事ができる。

  私はドラゴンが連続して振り下ろす長爪の攻撃を、片方の剣で弾いて、受け流して、素早い動きでわかす。

 そしてスキを見つけると、片方の剣でドラゴンに斬りつける。

 さらに再び剣が折れると、ボックスから新しい剣を取り出した。

 

  身体能力と肉体強化の魔法具、スピリトゥスの腕輪を選んだのには2つ理由がある。

 1つは、私の剣の技術を最大限に生かすこと。

 前世では剣道5段にしてフェンシング3段の美人天才剣術家だった私とこの身体能力強化の魔法が組み合わされば、大半の冒険者や戦士たちよりも強くなれるだろう。

 そしてさらに、アイテムボックスとの相乗効果である。

 ファイヤーボールなどの魔法やファイヤーソードなどの魔法剣を手に入れても、応用が効かない。

 様々な場面での柔軟性が効かないのだ。

  遠距離攻撃の魔法は遠距離攻撃にしか使えないし、魔法剣は接近戦にしか生かせない。

  けれども身体能力強化の魔法は、アイテムボックスを組み合わさせる事で、接近戦でも遠距離戦でも、それ以外でも様々な場面に生かせる。

 身体能力と肉体強化の魔法具は私の戦闘能力を2倍にも3倍にも増やしてくれる。

 

  それから私はドラゴンとの熾烈な格闘を続ける。

 その間エレスはサンダーボルトやブリザードブレスなどの遠隔魔法で私を援護してくれる。

 私はすでに10本剣を折りながらも、30回の剣撃をドラゴンに命中させた。


 だが、剣で斬りつける攻撃は威力が弱く、

 ドラゴンに致命的なダメージを与える事ができない。



 ヤツを仕留めるには、鱗の少ない横腹を突いて心臓に刃を突き刺す事だ。

 私はそう結論づけた。

 だが、剣での攻撃は斬りつけるのには向いているが、突き刺すのには向いてない。

 それならー

 私は、ボックスから長めの槍を取り出すと、ドラゴンの肋骨の隙間を狙って、槍を付き刺した。

 もう少しで心臓に到達しようかという所で。

 ポキリ 

 槍が折れてしまう。

 駄目だ。安物の槍を買ったのが失策だったのか?

 ドラゴンの肉体が予想以上に硬かったのか?

 ドラゴンが尾を振って私にぶつけて来た。

 私はボックスからベッド( 寝具 )を取り出して、そこに隠れた。

 ベッド( 寝具 )もろとも私は吹き飛ばされる。

 草原に落下した私は、慌てて立ち上がる。

 ドラゴンがひときわ燃え盛る炎の塊を発射した。

 上級魔法のファイラだ。

「どいて、マリー」

 エレスは私を突き飛ばし、魔法のシールドを張る。

 見えない魔法の防御壁がファイラを受け止め、爆発する。

「キャーッ」

 エレスは吹き飛ばされ、後方の草原に落下する。

 エレスは仰向けに倒れている。

「エレス!!」

 私は、エレスの名を呼ぶ。

「ウウゥーッ」

 エレスは生きてはいるが、今のダメージで身体が動かないらしい。

 ドラゴンをこちらに惹き付けなければ。

 私は右方向へ回り込むと、ボックスからナイフを取り出しドラゴンに投げつける。

 ナイフがドラゴンの鱗に当って跳ね返る。

 エレスを狙っていたドラゴンは、こちらを振り向いた。

 そして、今度はこちらに向かってファイラを発射した。

 私はボックスからバスターソードと呼ばれる巨大な剣を取り出すと、ファイラを一刀両断した。

 ファイラが爆発する。

 バスターソード( 大剣 )を選択したのは、少しでもサイズの大きな剣を使うことで、距離を稼いで爆発によるダメージを最小限に抑える為だった。

 しかしー

 爆発で私はダメージを喰らい、吹き飛ばされる。

 私はすぐさま立ち上がる。

 熱いっ!!

 両手が少し火傷している。

 見ればバスターソード( 大剣 )がファイラの灼熱で少し溶解している。

 私は思わずバスターソード( 大剣 )を落としてしまう。

 キシャアア

 咆哮するドラゴンが、再び口腔に魔導力が充填されていく。

 トドメのファイラを放つきだ。

 駄目だ、次にファイラを喰らったらお終いだ。

 しかし、剣や盾であれを防ぐ事はできない。

 しかも、それだけではない。

 仮にあの灼熱の炎の一撃を凌いでも、

 あの硬い肉体を持つドラゴンを剣や槍などの武器で貫くことができない。

 どうする?

 ドラゴンがファイラを発射した。

 私は迫りくる灼熱の炎を前に、左手をかざした。

 アイテムボックスから滝のように大量の水が流れ出し、ファイラを飲み込んだ。

 ファイラの爆発で噴水のように水しぶきが舞い、水蒸気が霧のようにあたりを包み込む。

 用意周到な私は、ここに来る前街の地下水を汲んでアイテムボックスに収納しておいたのだ。

 私は水蒸気の霧から飛び出すと、ドラゴンに向かって一直線に駆け出して行った。

 ドラゴンがさらに第4撃目のファイラを撃つため、その両顎を開いた瞬間、私は火炎瓶をその口の中に放り投げる。

 ボウンッ!!

 大爆発が起きる。

 キシャアア

 ドラゴンの口から、黒煙が立ち上る。

 チャンスだ!!

 私は跳躍すると、ボックスからハンマーを取り出した。

 そして、そのハンマーをさっきドラゴンに突き刺した折れた槍めがけて叩きつける。

 グサァァアア

 突き刺さった槍はドラゴンの肉体のさらに奥深くへと食い込み、そして、遂に心臓に到達する。

 キシャーァァァアア

 ドラゴンは断末魔の咆哮をあげると、吐血してその場に倒れた。


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