第3話「マシン作成」
「な、なんとか図面は完成した…な…長かった…」
事切れたように眠ってしまったのはVERTEX Corporation代表の斉藤康雄。
彼が設計していたのはVERTEX JAPANもとい、VERTEX CorporationとStorm F1teamのコラボマシンであるSV-01。
すべてがゼロからスタートしたこのプロジェクト。
パワーユニットまで自作と来たものだから、社員全員への負担は相当なものだった。
なんなら、工場の機械もいくつか、負荷に耐えきれず故障したものまであった。
思わぬ出費まであったが、無事、パーツも一部完成させることができた。
「ふがっ!?今何時?」
デスクに置いてあったスマホをつける。
「やっべ!18時!もうデータ送らなくちゃ!」
慌ててメールを開き、Storm F1 teamのメールアドレスを選択する。
「よし、これで図面のデータを…添付してっと…」
送信ボタンを押す。
「ふぃー。」
後は向こうでの完成を祈るだけだ。
イギリス、Storm F1 teamファクトリー。
「おっ!きたきた。」
そう言うのはStormF1の代表、ストーム・ウィリアムズ。
「さすがはJAPANの自動車パーツメーカー。設計がまとまっている、素晴らしいものだ。では、これを今日の午後、設計部門に持って行くとするか。」
ストームは優雅に紅茶を飲んでいた。