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第2話「条件」
「なぜ、我々にはこんな無茶な条件ばかり押し付けるんです!」
康雄は再びFIA本部で声を荒げていた。
「前回のF2の件では2人ともF1に行ったではありませんか。なら我々は難しいものを用意しようと思ったわけですよ。」
田邊飛花F1参戦条件
・FIA本部から提供されたパワーユニット図面を参考にVERTEXJAPANが自作のものを開発し、搭載すること。
・Storm VERTEXの参戦、並びに開発予算は他のチームの3分の1とする。
・2年目以降参戦を継続する場合はドライバーズランキング上位5位以上に入ること。
上位5位って…ルーキーがいきなり取れるものじゃねぇぞ…?
「まぁ、無理でしたら、今度こそは本当に諦めてもらって結構ですよ。」
それは無理だ。
飛花が、飛花が憧れ続けた舞台についに送り出せるんだ。
そんなあと一歩というところで諦めてたまるか。
「…この条件、承諾いたします。」
「フフッ、本当にあなたがたはチャレンジ精神がすばらしいですね〜。」
ここまで来たら、徹底的にやってやる。