こんな痛いやつ、嫌だ!
あれから俺たちは何とかクエストを繰り返していって、なんとかC級までこれた。これで俺たちも立派な冒険者って感じだな。まあほぼロンリエッタとフェルの功績だけど。
さてと、今日は珍しく一人だ。フェルがロンリエッタに街の案内をして欲しいって言ってな、よくわからんが俺だけハブられた。別にオフの日が少ないからいいけどさ。てな訳で今はギルドで焼き鳥食ってる。お酒は飲めないから水を飲みながらな。
「なあ貴殿、一つ悪魔の契約でもしないか。」
何言ってんだこいつ。悪魔の契約。いや、俺にはわかる。こいつ、厨二病だ。身体中の包帯、謎に片目だけを隠す、ようわからんオーラ、どう考えても厨二病だ!
「ふっふっふ、わかるか、このオーラを!我が身に宿った、この呪いを!」
わからん!お前が馬鹿らしいことぐらいしか、わからねぇ!
「まあなんだ、貴殿が抱く悩み、吹き飛ばしてくれよう。少しついてこい。」
まじか、悩みの元凶が吹き飛ばしてくれるなんていいことだな。って、こんな開いたところまできて、何するつもりだ?
「心配はいらない。刮目せよ!」
うわなんか始まった!これは、魔法だな。
「闇を切り裂く雷鳴の使徒よ、我が魂の叫びに答え、天空の怒りを解き放て!
エレクトロ・ディバイン・ジャッジメント!!」
ぬ、ぬぉぉぉ!そこら辺の雑草が、木が、魔物が、近くにいる冒険者が、知らないおっさんが、一気にぶっ飛んでいったぁぁぁ!一体なんなんだこいつ!
「はっはっは!みたか、神の雷を!」
はっきり言ってすごい。でも、一体俺に何のようだ?
「何、言わなくてもわかるであろう、貴殿よ、我の仲間になる気はないか?」
いや、それは結構だ。一応俺もパーティーにはもう入ってるからな。
「はっ、そうか、い、いいだろう。そ、それではまた。」
こいつ絶対入ってくれると思ってたな。ところで、他のパーティーメンバーはいないのか?
「はっ、我は孤高の狼であり、最強の魔法使いだ。仲間などいなくても十分だ。」
俺を誘っておいて何言ってんだよ。いや、まさかお前、俺のパーティーに入りたいのか?
「はっ!な、何を言っておる!まあしかし、貴殿が仕方なくと言うのであれば、吾輩も考えてやってもいいだろう。」
一人称まで変わって、分かりやすいな。まあでも、わかった!お前は強いし、フェル達もいいって言うはずだ!
「はっはっは、良かろう、我も貴殿の同盟に入らせていただこう。」
じゃ、とりあえずフェル達と会わせてみるか。
「わ、我が名はオルテウス・ノクス。め、冥界の神の命により再び現世に生まれた神の使者である。わ、我にかかれば魔王ですら膝をつくだろう。よ、よろしく頼もう。」
そんなに恥ずかしいなら普通に自己紹介しろよ。
まあ、そう言うことだロンリエッタ。性格はあれだけど実力は俺が保証するからこいつをパーティーに入れたらどうだ?
「なるほど。ま、まあいいだろう。ノクス、貴方のパーティーへの参加を認めます。」
「はっ、当然のことだろうな。まあ、精々我の足を引っ張らぬよう励むのだな。」
そんなこと言って、こっそりガッツポーズしてんじゃねーか
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