ギルドが無ェ チカラも無ェ 街どころか人けが無ェ!
俺、明日無糸は異世界へと転生した。とりあえず、異世界といえばギルド。ギルドにいけば大体のことは何とかなるって小説で読んだことがある。もうスマホの代わりになるぐらいギルドは何でもできるってな。でも、ここどこだよ!
辺り一面どこを見ても完全に森。せっかく転生したってのに日の光一つ浴びられないなんて、とんだ災難だぜ。
「グル、グルルル」
ん、神様か。って、な訳ねぇ!やべぇ、これは魔物だ!ど、どうすれば、俺能力とか持って無いんだよな。
あ!剣だ!剣ついとる!って何だよこれ!大型犬持ち上げてるぐらい重いぞこれ!でも、これでやるしか、ダメだ、非力な俺にはこんなもの振れる訳がねぇ。クソッ、俺の第二の人生ここで終わりかよ、早すぎるだろ。もう一回神様に頼んだら生き返れるかな。ああ、もう幻覚が見えるのか可愛い女の子がやってきたよ。
「この剣、ちょっと借りるよ!」
いや、まて、これ幻覚じゃねぇ!あの重い剣ちゃんと持ってる!魔物倒してる!か、神様だ!
「フィルは神様じゃないよ〜。大丈夫?怪我とかはないか?」
ああ、俺は大丈夫。助けてくれて本当にありがとう。ところで、君はいったい何で来てくれたの?
「ああ、村で休憩してたら、突然君の悲鳴が聞こえてきたから、助けに行かないとって思ってね。」
か、神様だ。それより、今村って言った?この近くに村があるの?
「うん!行くところがないなら来る?フィルの村、人が少ないけどいい人が沢山いるよ!」
ぜ、ぜひ行かせてください!
「そう!じゃあこれからよろしく!フィルはフィル、君は?」
俺は明日無糸だ。よろしくな。
「ナイトか、いい名前だね!じゃあ行くよ!」
って、何俺を担いでるの?俺自分で走れるよ。
「大丈夫!フィルが担いで走った方が速い!」
ぬぉぉぉ!草が枝が、そしてたまにある魔物の頭が!色々といてぇ!
「よし!着いた!ってあれ?ナイト、怪我あるじゃん!大丈夫?」
ぜ、全然大丈夫じゃ無ェ。身体中が痛いよ。
「お、フィル、帰ってきたか、って、その人大丈夫か?血がでてるぞ!」
全く、そのとおりだよ、ってあれ、急に眠気が・・・
あれ、俺寝てた?それにしても、すげぇ柔らかい枕で寝てたな俺。いや、これ膝枕じゃね?どう考えてもそうだ!最高じゃねぇかよ。
「大丈夫か?」
いやおっさんの声だ!
「あ、起きた。おいお前、大丈夫か?俺の膝の上で3時間以上も寝てたぞ?相当疲れてたんだな。」
ぅおぇぇぇぇ。危ねぇ、もう少しでおっさんの膝の上で延々の眠りにつきそうだった。
「はっはっは、面白い冗談だねぇ。色々とフィルから聞いたよ。俺はフェルダだ。フィルの頼れる父とは俺のことだぜ、よろしくな、ナイトくん。」
よ、よろしくお願いします。ところで、フィルは今どこに?
「さっきナイトくんがいた森へ魔物狩りに行ってるさ、毎日1000体倒して鍛えてるんだ。」
あの森アリの巣か何かなの?
「ところで、ナイトくんはこれからどうするの?この村、基本的にここに住んでいる人以外は入らせたらいけない掟があるんだ。申し訳ないけど、1週間だけしかここで養護することができないよ。」
1週間もあればもう他の人にバレるだろ。まあいいか、とりあえず、何とか街に行こうと思ってます。
「そうか、街に行くのかい。なら、フィルを連れて行ってくれないかい?この村は小さいから年齢が近い子も少ないんだ。一緒に広い世界を見せてやってくれ。」
なるほど、確かに俺一人じゃ心もとないし、俺にとってかなりの助っ人だ。
「それに、あの子常識がないから街で学んで来て欲しいなって。この前も夜なのに叫んでたせいで沢山の人から怒られてね。」
それはあんたが教えてやれよ。
それから1週間が経ち、村を出発することにした。持ち物は最小限まで抑えて、とりあえずお金と水と食べ物、そしてありったけの医療グッズを持っていくことにした。フィルに担いでもらえば一日あれば行けるらしいから、準備は完璧だ!さあ、ついに俺のギルドでの生活スタートだ!
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明日は時間を変えて20時に出してみようかなと思います。