表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

聖女?治癒師?い~え、しがない解呪師ですよ

作者: satomi

久し振りの短編です。よろしくお願いします。

「頼む!うちの娘を助けてくれ!金ならいくらでも出す!」

 そう言って私に助けを求めて来たのはこの国の筆頭公爵様だったかしら?


「私…貴方の娘に罵られたりしたのよね?」

 まぁ、私が男爵家だからでしょうけど?


「悪かった!二度と貴女様とは関わらないと約束しよう!」


「お金はココに支払っておいてくださいね」


「何だ?法外だろう?!この金額…」

 いくらでも出すって言ったのに、ケチ臭い男ねぇ。


「尻込みするなら他をあたってくださいな?…いるならだけど」


「いや、きちんと振り込ませてもらう」


「毎度アリ~♪その言葉に嘘があった場合、お嬢さんのあられもない姿を国中の殿方の脳に「キチンと振り込ませていただきます」


 私、アリーナ=クリストフ元・男爵令嬢は教会とは違って、本当に呪われている人を何とか元に直すのが仕事。まぁ、悪魔払いかしら?

 悪魔なんかよりも人間の方がよっぽど卑劣だと思うけどなぁ……クリストフ男爵家の人々とか?


******


 私がまだ幼かった頃、悪意なんかちっともなかった。


「お父様、お父様の後ろにいつもついてまわっている人は誰?執事とは違うのよ。なんか透けてるの。他の人とはなんか違う感じ」


 そう言ってから、家での私の立場は悪くなった。


「あんな子を産んだ覚えはないわよ!あなたがどこかから拾ってきたんじゃなくて?」


「私は幼女趣味ではない!子供なんか拾ってくるものか!」


「父上、母上、アリーナは私の妹ではないのですか?」


「ああ、可愛い我が子のウィンズ。あんなのはあなたの妹ではありませんよ?」


「そうだぞ、ウィンズ。これからもっとこの男爵家を盛り立てていってもらわねばならないんだ。期待してるぞ!」


「はい、父上」


******


 そのように、実の両親・兄から疎まれ生活をすることとなりました。


 まぁ、男爵っていっても、爵位があるだけの平民みたいなものだから大したものではないんだけど。

 だからこそなんだよねぇ、私がこうしてお金を自分で稼ぐようになってから、お金のせびりにくるようになったのは。手のひら返しもここまでくると清々しいと思ってるんだけど。


「さすが私よねぇ。貴女みたいな才能あふれる子を産んだんだもの」


「本当にそうだよ、それに比べて兄のウィンズときたら、酒を覚えたからって、嗜む程度なら可愛いものを酒に溺れるようになりおって!」


 私からすると、縁を切ったも同然の家族の事を聞いてもどうでもいいし、お金目当てなのバレバレだし。



「えー、クリストフ男爵家とは縁を切ったと思って生活をしておりますので、もうここにはよりつかないでください。どうしてもの場合は…そうですね、憲兵は面倒そうだから傭兵でも雇ってガードを致します。クリストフ男爵家の皆様どうぞお帰り願います」


 傭兵ってお金かかるから大人しく帰ってよ!


「実の両親が困っているのにその仕打ち?酷い子ね?そんな子に育てた覚えは「育てられた覚えもありません。私の寝床は物置、食事は残飯。何か言う事あります?」


 そうこうしているうちにギャラリーが集まってきた。「アリーナちゃんが虐められてるよ」「なに?あのオジサンとオバサン?」

 クリストフ男爵夫妻は顔を真っ赤にさせてボロイ馬車に乗り小さな邸へと帰っていった。


 そんな爵位大好き男爵よりも、私の方がハッキリ言ってお金持ちである。

 

「皆様、お騒がせして申し訳ありません!……恥ずかしながら、縁を切ったはずの実の両親がお金をせびりにやってくるのです」

 本当に恥ずかしい。


「アリーナちゃんの両親だったのかい?似てないねぇ。なんていうか、品が無い!」

 はっきり言っちゃった。だって男爵なんて下級貴族だもん。

 

 私のお金はキッチリと王立の銀行に預けているので、たとえ両親でも手が出せない。


「それより、アリーナちゃんは小さい時酷い目にあったんだねぇ。そんなんじゃ、縁を切って正解だよ。それをアリーナちゃんがお金を稼ぐようになったからって、お金をせびりに来るって貴族様が聞いて呆れるね」


 私の仕事に関することも口止めをしている。お客様の変わりようからそうもいかないだろうけど、教会は聖なる力で呪いとかを治したいだろうから。


 今日来た筆頭公爵様も最初は教会に頼んだだろうなぁ。そして匙を投げられたんだろう。


 今日もよく稼いだなぁ。

「たっだいま~!」


「おかえりなさい、ご主人様」


「ご主人様はやめてよ、アリーナでいいよ」


「では、アリーナ様」

 彼女は所謂悪魔・ルル。私の使い魔をしています。こんなのが教会にバレたら、まぁ打ち首でしょうか?打ち首…結構残酷ですね。教会ともあろうところが……。


「今日も呪われてる子を払って直したんだけど、最近呪いが流行ってるの?知ってる?ルル」


「申し訳ございません。存じ上げません」


「結構貴族で多くてさぁ、逆に平民は元気なんだよね。呪いのターゲットが貴族って事?」


「そのようですね」

 貴族の中でも高位貴族が呪われてるんだよねー。

 高位貴族って恨み買ってるんだろうか?




翌日

「アリーナ=クリストフ。王城への召喚命令だ。一緒に来てもらう」

 何?私は至極普通に生活してたつもりだけど、誰か私が呪い解くってチクったの?


「ルルは留守番をお願いね」


「わかりました。アリーナ様。いってらっしゃいませ」

 あんなに腰が低いけど、ルルが本気を出せばこの国くらいほんの数分で焼け野原になるんだよなぁ。


 王城で私は陛下の御前に連れ出された。一体私が何をした。いや、いろいろしてるけどさぁ。


「貴殿がアリーナ嬢か?」


「はい」


「貴殿に至急呪いを何とかしてほしいのがいるのだ」


「陛下といえども報酬はいただきます」

 国税だから気が引けるなぁ。いや、他の貴族だってそうなんだけど。


「っ!?…貴殿はいつもこのくらいの報酬を受け取っているのか?」


「陛下は特別価格でちょっと少な目ですね」


「断っても構いませんよ。私の他に呪いを解くような人材がいるならですけど」


「すぐに解呪を行ってくれ」


「毎度ありがとうございます。報酬は同封の紙に書いてある銀行へ振り込んでください」


「で、どなたでしょう?」


「産まれたばかりの私の孫だ」

 ただのひ弱な赤子ではなくて?呪いだと断定する何かがあるんでしょうね。



 その赤子は弱っていたが、肌の色が黒く、とても色白の王太子妃から生まれたとは思えない。


「産声も元気でその後も元気いっぱい育っていたのですが、ある時から徐々に体が弱っていき、肌も浅黒く……」

 王太子妃はもう涙声になっている。


 高位貴族どころか王族までターゲットかぁ。ここまでくると、国家転覆か他国から侵略だよなぁ。



 私は赤子の解呪を試みた。なかなかしつこい。しつこい油汚れのようにこの赤子は呪われている。

「あー、一度に解呪しきれないようなので、明日も解呪しにきてかまいませんか?」


「この子の命が治るなら!」

 まさか、呪いがしつこい油汚れのようについているとは言えなかった。



 陛下にはその旨を伝えた。

「一度で解呪しきれずに誠に申し訳ありません。

それと、陛下のお耳に入れておきたいことが。私が今まで解呪をした人は高位貴族と王族のみです。これは、恐らく国家転覆もしくは、他国から侵略しようとしている。と考えるのが自然かと。その証拠に、平民は呪いとは無縁です。

あ、下級貴族も元気なんじゃないかなぁ?」


「うーむ。それが本当ならば結構なことだな。国内に間諜が多数いることになる。呪いがそなたに解呪されていなければ、ほとんどの高位貴族が機能せずに、大変なことに。

今現在、王族もあの子が呪われている事でてんてこ舞いだ」



 翌日も王城で陛下のお孫さんの解呪を行った。どこまでしつこい油汚れをつけたのよ!とはいえ、昨日よりは取れてきた。この子の顔色も少しは良くなったかな?


 下級貴族からも解呪の依頼はないわ。一旦家に帰ろう。




「お帰りなさい、アリーナ様」


「ただいま、ルル。その後誰がこんな呪いかけまくってるのかわかった?」


「おそらく、高位貴族である方です。名前も爵位も存じ上げません。申し訳ございません」


「いいのよ、わかったのは大収穫!さすがルルね」


「恐れ入ります。お城ではどのような?」


「陛下のお孫さんが呪われちゃったのよ。しかも何回も解呪を試みてるけど、もうしつこい油汚れなみにべっとりと解呪がすぐにはできないのよ。今まではすぐ出来たのに、そんなに王族嫌いなのかしら?」


「王家を断絶させたいのでは?」


「もしくは次の王家になり替わろうとしているとか?だと、公爵家の人間が怪しいわね。私が解呪した中で呪いにかかってない公爵家は……1件しかないんだけど?あからさまに私が犯人って言ってるようなものじゃない?」


「私もそう思います」


「次期国王になりたいんでしょ?もっと頭使ってほしいなぁ」


「ちなみに侯爵家は?」


「全滅。どの家でも誰かしら解呪してるわ。なんていうか……お粗末じゃない?」


「これはそのまま陛下に言うのですか?」


「国の一大事だからね」

 この日は自宅でのんびりと過ごした。ルルが作った夕食も美味しかったし♡



 翌日、私は早速謁見を申し出て、陛下に相談することにした。


「あのですねぇ、私が過去に解呪を行った高位の家を除くと、1件だけしか残らなかったんです。それも公爵家」


「公爵家かぁ。私が即位した際に臣下した家の可能性が無きにしも非ずってとこだな。どの家だ?」


「エドモンド家です」


「まさに私が国王になるにあたって、弟が公爵に臣下した家だ。そんなに国王になりたかったのか…」


「ですが、あまりにも簡単にわかったのがおかしいんですよ。こんなの私が過去の解呪記録を見ればすぐにわかること。あまりにも杜撰です。

私はエドモンド公爵様が呪いをかける技術を持っているのかも疑問ですし、他に黒幕がいると考えています。それについては、私の使い魔が調べてくれています」


「確かにな。エドモンド公爵は確かに犯人だろうが、実行犯は別の者だろうな。そして、その背後には別の者がいると考えるのが妥当だ。そのように我々も動こう。エドモンド公爵はどうするべきであろうか?」


「特に逃げることもないでしょうから、監視付きでよいのでは?と思います。黒幕、もしくは実行犯と接触をしてくれると助かります」


「そうだ!孫の方はどうなった?」


「あと一歩ですね。今日も解呪に行く予定です。顔色がよくなってきたので、王太子妃が喜んでいました」




 私はべっとりついた油汚れのような呪いを解呪するために王太子宮へと歩みを進めた。


「アリーナ様ぁ!うちの子の顔色が……また悪くなったの…なんで?」

 王太子妃はハラハラと涙をお流しになって、お倒れになりそうな体を侍女達が支えている。


 なんで?こっちが聞きたい。上書きみたいなことをしたんだろうか?あと一歩だったのに、余計な事を!とにかく診てみた。

 確かに顔色が以前のように浅黒くなり、呼吸も弱々しく感じる。誰だよ!上書きとかするのは!


 この解呪は簡単にできた。急ぎのものなんだろうか?時間をかけて呪うと解呪にも時間がかかる?

 加えて、あと一歩だった呪いも少しは歩みを進めておいた。

 もう、毎日のように解呪をしなければいけないということか?

 呪いをかけている方は解呪されているのがわかっているということか?それなら、王都中の高位の貴族のご家族がもう元気なのも知っているハズ。


 王太子妃様は御子の様子を見て、一安心をしたのか気が抜けてそのまま気絶してしまった。いろいろ説明したかったのに。


 特に王家に恨みがあるって事?他の貴族でこんなにしつこい呪いはないから。

 などと考えながら、解呪を進める。


 しっかしなぁ。こんな赤子にここまでしつこい呪いかけるか?王太子とかにかければいいじゃん。

この赤子が呪いで亡くなったと仮定しよう。王家にまた御子が誕生することも考え得る。


 手っ取り早く王家をどうにかしたいなら、王太子を狙うのが得策では?現国王は放っておいてもそのうち亡くなるだろう。王太子は今のところ元気だ。王太子の御代になったら30年近くその代が続くんじゃないか?

 この御子が亡くなったら、次なるターゲットは王太子または王太子妃。今度は呪いでわかりやすく呪うのではなく、子供ができない体にする。そうすれば、王家断絶は確実なものとなる。

 

 考え事をしながら、赤子の解呪を進めていく。

 本当に毎日解呪の作業をしなければならないのだろうか?

 ルルにエドモンド公爵の方は見張っててもらってるけど、成果はあったかな?

 

 とりあえず、上書きされていた分は元に戻した。あと一歩なんだよなぁ。


「陛下、明日も来ますね。というか、きちんと解呪が終わるまで。

それと、呪いを解いていっていることは、呪いをかけている方にはわかってるんですよ。だから、あとちょっとで終わりそうだった解呪作業だったのに、上書きみたいなことをされたんです。

それと、お孫さんの解呪が終わった後、恐らくは王太子または、王太子妃。もしくは二人ともが狙われます。目に見えるような呪いではなく、見えない呪いです。多分です。私の予想では子供ができないようになるのでは?と思います」


「ふむ」


「それについては、予防策としてこのブレスレットをすれば呪いにかかることはないのですが……」


「無料ではないんだろう?」

 ニヤリと国王は笑う。まぁそうなんだけど。こっちは飯のタネだからね。


「はい、まあ。先日と同じ口座に先日の半分の料金を振り込んでいただければお渡しします」


 さらに付け加えると、私が高位貴族を解呪しまくって、呪いをかけていた人間(黒幕の手足?)は今頃呪い返しで凄いことになってると思うんだけど、エドモンド公爵家で匿われているなら大事にならないかな?公爵家には地下牢とかあるだろうし。他にもなんかヒミツの部屋とかありそう…。


 子供ができない呪い返しかぁ…。見目も見れたもんじゃなくなってさらに生殖能力まで失うとか地獄だな。


 そういえば、私はこいつが呪いをかけまくってたから生活で来てたんだよね、解呪で。地味に治癒魔法もできるけど、国外に行ってみようかな?いろいろルル情報を待とう!


 そんなことを考えながら一時帰宅(?)をした。


「ああ、アリーナ様にこんな姿をお見せすることになるとは、お恥ずかしい!」


 何を言ってるんだろう?ルルの使い魔姿。黒猫、モフりたい!いや、短毛だけど。


「アリーナ様。エドモンド公爵家にこのようなことが」


 ルルが言うには、メイドが足を踏み入れる事が許されていない部屋があるらしい。外部からもその内部を除くことは不可能らしい。なんせ、窓がないから。

 う~ん、監禁させられて、呪いをかけさせられたという事?それにしては、王家の赤子に対する呪いは強力ね。それはもうべっとりと油汚れがついているように。他の貴族はあっさりと解呪できたのに、違う人物が呪いをかけている?


「ルル、エドモンド公爵家で監禁されている人が他にもいないか探りをいれて。できれば、王家に強い負の感情を持った人に限定してくれると助かる」


「わかりました、アリーナ様。では明日からはそのように。さて、夕食を食べましょう!」


 待ってました!ルルの料理は天下一品なのよね~。お金取れる?と内心思ってる。




翌日から、私はいつも通り赤子の解呪に王城へと行った。゛赤子゛にはまだ名前がついていないらしい。

さっさと解呪して、名前をつけさせてあげたい。


 ルルはエドモンド公爵家へと行った。

 より強く王家に負の感情を持っている人を探しに。こういうのは悪魔である彼女が得意とするところだ。どう出るのか。



 ああ、またかぁ。目を離した隙にまた上書きされてるよ。


「アリーナ様ぁ!」

王太子妃の相手がだんだん面倒になってきた。赤子にだけ集中したい。


 またこんなになって、上書き趣味?毎度毎度呪い返しされてるんじゃないの?Sっ気あるの?解呪だって力使うんだけどなぁ。一気にピッチピチにしないとダメという事?


 今回は限界(私の限界)まで、解呪してみようか。

 

 私はしつこい油汚れと戦った。


 なんなの?悪趣味ね~?

 おっ?ぺりぺりと剥がせるとこあるじゃん。あ゛、これはダメな方法だ。赤子の皮膚まで剥がすとこだった。エグイ。

 

 数時間私は解呪しっぱなし。


 王宮の侍女さんがお茶を用意してくれた。飲む暇ないのが悲しい。

 

 私の限界が来たので解呪終了。赤子はとりあえず、血色良く、元気に泣くような子になった。明日はわからない。

 

「私の限界まで解呪しました。とりあえず、ちょっとはマシでしょう。明日の様子を見てですね」

 と、私は侍女さんが用意してくれたお茶を口にした。毒が仕込まれていたようです。


「えーっと、そこにいる侍女さんを捕縛してください」


「一体何のことです?」


「私のお茶に少量ですが、毒が入っています。毒殺未遂ですね」


 ザワザワと付近が騒ぎ始めた。


 そうだ。エドモンド公爵家じゃなくてもいい。この王宮の中で強く負の感情を持っているのかもしれない。その証拠に、彼女は手袋をしている。


「手袋を脱いでもらえますか?」


 その手は赤子が解呪する前の状態のように赤黒く、もはや壊死寸前のようであった。


「王家さえいなければ……」

 そう彼女は言い残し地下牢に入ることとなった。



「陛下、呪いをかけていた黒幕は地下牢へ。王宮で侍女をしておりました」


「なんと!」

 まぁ、そうだろう。厳しいチェックを経て王宮で働くことになったはずの侍女がこのような犯罪をあいたんだからなぁ。


「エドモンド公爵とのつながりは、エドモンド公爵が王子として王宮にいた頃からだそうです。まぁ身分違いの恋というのが良かったのでは?と思いますけどねぇ。

 それで、国王になるべきだったエドモンド公爵が…という逆恨みでしょうか?

 エドモンド公爵家には呪いを高位貴族にかけまくっていた人が監禁されています。使用人には「あの部屋には近づくな」みたいに言っているみたいです」


「よし、エドモンド公爵を捕縛。さらに呪いを高位貴族にかけていた人間も確保。以上をすぐに!」

 なんかルルには面倒だっただろうなぁ。




 その後、エドモンド公爵には王族反逆罪を適用。とはいえ物的証拠がないので、王家所有の北部にある塔に終身幽閉となった。

 呪いをかけていた二人は、二人とも鉱山労働夫として終身雇用が決まった。




「ルル~、今回はすっごい働いてもらってありがとう!!」


「アリーナ様を思えばです」


「それで、この国はもう呪い騒ぎはないでしょ?私の稼ぎがなくなるのよ!食べていけるだけのお金は十分にあるんだけどね。どっかいい感じで呪われてる国ないかなぁ?」

 呪われてるところを探すのはおかしいけど、それが私の職業だから。


「あ、東の方に大きな負の感情を感じます」


「よし、東の方に出かけよう!お金…ルル、ルルの収納魔法で収納してくれないかなぁ?この国の銀行に預けてるのよね。全額引き出して、東の方に行きましょう!」



 このように私はルルと旅をするのです。




























ルルとの絡みで連載になりかけてた短編です。

読了ありがとうございます‼

感想・評価・下のほうにある☆・いいね などお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公はアリーナ=クリストフ元・男爵令嬢。小さい時から他の人には、見えない者が見える。所謂霊感持ちなのかな。その能力のせいで、男爵家からは、絶縁。自分から家を出たのかな?彼女の職業は解呪師、教会の祈り…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ