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ゲームの悪役キャラに転生した俺が、裏でこっそり英雄ムーブで楽しんでたら、俺のことが大嫌いな許嫁にバレてしまった  作者: 木嶋隆太


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 まあ、先の理由からヴァリドー家以外の人たちにまで使わせるのは難しいかもしれないが。

 でも、別に雇っている管理官に使わせるんだからいいんじゃないの? と思うが、大体の場合は身内を雇っていたり親しい貴族を雇っていることが多いからなぁ。

 それでも、今よりも作業時間が減るとなれば喜ぶのが普通だと思うが、そこはプライドでもあるのかもしれないな。


「レイス様。魔物がいるようです」

「ああ、そうだな。どうする?」


 前方に、ゴブリン三体を見つけたのだが……別に悪逆の森の魔物でもないので大した強さはないだろう。


「レイス様はこちらでお待ちください。あたしが仕留めてきますから」

「そうか、分かった」


 俺の手を煩わせまいということだろうか。あるいは、イナーシアが自分の力をアピールするためか。

 どちらにせよ、イナーシアがやる気に溢れているので彼女に任せるつもりだ。

 森の中を移動しながら、ゴブリンへと近づいていく。

 俺もイナーシアも音もなく、だ。ゴブリンはまるで気づいている様子がない。

 ……そして、イナーシアが一気に距離を詰めた。


「「ゴ!?」」


 ゴブリンたちが慌てた様子で気づいた。一体はまだ呑気に地面を掘って遊んでいた。

 その一体へ、イナーシアの武器スキルが襲いかかる。風の刃が一瞬でゴブリンの体を切断し、仕留めた。

 残っていた二体が持っていた棍棒で襲いかかるが、イナーシアはそれを容易くあしらう。

 かなり、ステータスに差があるんだろう。飛びかかってきたゴブリンを槍で受け止めると、その体を吹き飛ばしてみせた。

 

 側面から飛びかかってきたゴブリンには、棍棒を砕くように槍を突き出し、仕留めて見せた。

 ……余裕だな。

 イナーシアはその場で槍をくるくると回してから、背負い直す。あっ、今のは戦闘勝利後のモーションか。


 ゲームと同じ動きが見れて、ちょっと嬉しさを感じているとイナーシアが戻ってきた。


「怪我はないですか、レイス様」

「イナーシアのおかげで問題ない。だいぶ、強くなったな」

「当たり前です。レイス様をお守りするためにいるんですから。レイス様より強くならないと」


 それは是非とも目指してほしいものだ。

 俺の成長限界がどこで迎えるかは分からないが、少なくともイナーシアたちの成長限界は原作主人公に並べるレベルなんだしな。

 パーティーで戦うのが基本の彼女たちが限界まで育ててば、ラスボスだって容易に処理できるはずだ。

 それこそ、最速ターン攻略とかだって目指せるだろう。


 さらに南の森を進んで行った時だった。何やら異様な魔力の結界が感じられた。

 ……これは、なんだ?


「レイス様。この先がフェアリー族の暮らす森になります」

「そうか。……でも、これどうやって入るんだ?」


 結界に手を触れてみたが、ばちりと跳ね返される。

 イナーシアが同じように結界に手を当て、声をかける。


「もしもし、イナーシアだけど……今、ニシリーっているの?」


 イナーシアがそう呼びかけると、しばらくしてこちらに一体のフェアリーが近づいてきた。

 イナーシアを見て、小さなフェアリーは笑顔を浮かべた。

 ……ニシリーってゲームでもいたな。何を考えているかよく分からない、呑気なキャラだったと記憶している。

 フェアリー族は仲間にしたあと基本的に拠点に放置なので、さすがに全てのキャラクターの詳細までは覚えていない。

 拠点配置によるボーナス数値は高いので、いつもとりあえずはスカウトしていたくらいなんだよな。


「あっ、イナーシアじゃん。ってそっちの人は?」

「あたしが仕えているヴァリドー家の当主様よ。レイス様、彼女はニシリーって言って、以前依頼を出した人になります」


 イナーシアがそう俺を紹介すると、ニシリーがじっとこちらを見てくる。

 俺は彼女の視線を受け、軽く会釈する。


「レイス・ヴァリドーだ。今日はフェアリー族にお願いがあって来たんだが」

「へぇ? 貴族の人がフェアリー族に用事? 今日は雨でも降るのかなぁ?」


 小馬鹿にした様子でニシリーがこちらを見てくる。

 彼女の視線からも、明らかに嫌悪している様子が見て取れる。

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