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ゲームの悪役キャラに転生した俺が、裏でこっそり英雄ムーブで楽しんでたら、俺のことが大嫌いな許嫁にバレてしまった  作者: 木嶋隆太


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 兄たちの疑問の声に合わせ、俺も同じような気持ちになる。

 王は俺の前にたち、それから微笑を浮かべた。


「ファーリアから、おまえの活躍は聞いた。その若さにして、悪逆の森の魔物たちを一人で討伐できるだけの力……見事だ。そして、お前は唯一生き残ったヴァリドー家の者でもある。……ヴァリドー家を継いでくれないか?」


 ……ああ、そういうこと。

 四人はもう王の中では死んだことになってるのね。

 そして、俺に後を継がせる、と。

 俺の活躍に対しての褒美という意味合いもあるのかもしれない。

 正直言って、まったく想定していなかったのでどうするか考える。

 ……まあ、俺としては平和に生きられればそれでいい。

 貴族の跡をつげば、生活に関して困ることはないだろう。


「……分かりました。引き受けます」

「おお、そうか! 頼んだぞ、レイス!」


 王はにこっと微笑むと、俺の背中をバンバンと叩いてくる。

 ……このノリが結構苦手ではあるのだが、まあ毎日会うわけじゃない。我慢だ。


「な、なぜ……っ」


 ちらと視線を向けると、家族たちが絶望的な表情でこちらを見てきていた。

 ……まさか、こんなことになるなんてな。





 これで、ひとまず俺の未来の一つは変わった。

 ……想定よりも、大きくだ。


 リームとともに屋敷へと戻り、事の顛末を皆に伝えると……それはもう偉く盛り上がってしまった。

 あっという間に町中に広がり、俺のお祝い記念セールとか何とかいってあちこちで大盛り上がりだった。


 ……どんだけ皆俺の家族たちが嫌だったんだか。

 そんなことを考えながら、俺は戻ってきた小さな自分の部屋で休んでいると。


「レイス様、今よろしいでしょうか?」


 リームがやってきた。

 スッと丁寧に頭を下げると、彼女は部屋へと入ってきた。


「……その、おめでとうございます」

「ああ、ありがとう」


 リームが少しだけ悲しそうに目を伏せた。

 彼女がそんな複雑な表情を浮かべることがこれまでになかったため、珍しい気分でいるとリームは決心した様子で声を上げる。


「……その、レイス様。私から、一つお話しがあります」

「なんだ?」

「私とあなたの許嫁の関係について、です」


 そういえば、ゲームでは俺とリームの関係は家が爵位を取り上げられたタイミングでなくなるんだったよな。

 今は継続中。どうなるのだろうか。

 俺が先を促すように視線をやると、リームはすっと言葉を続ける。


「私とレイス様の関係は……ルーブル様……あなたの父と私の父との話しで決まっています。……それは、レイス様が三男という立場だったからこその関係でもあります」


 そうだな。

 俺がリームと許嫁になったのは、家族たちの嫌がらせの部分が大きい。

 本来なら、子爵家のリームが公爵家の三男と関係ができることはよほど気に入られないと難しい。


 まあ、リームの容姿なら他の家の男にも声をかけられる可能性は十分にあるが。


「ですので、私のこれからについてですが――」


 リームがどうして先ほどのような表情を浮かべていたのかが分かった。


「これからもよろしく頼む」

「え?」

「俺としてはこれからもリームと一緒にいたいと思っていたんだけど、リームはどうだ?」


 リームはゲーム本編にも関わってくるキャラクターなので、今後もずっと一緒にいてくれるかは分からないが、俺としては彼女といたいと思っていた。

 俺の返事に、リームは驚いたように顔を見開いたあと、笑顔を浮かべた。


「……もちろん、私も一緒にいたいわ」

「それならヨよかったよ。これからも頼むな」

「ええ、よろしくお願いします」


 リームと握手をかわしながら、脳内で考えていたのは……今後どうするかだ。


 主人公に会うために俺としては、士官学校に入りたかったが……領主がまさか入るわけにもいかない。


 別の学科があったんだったか?

 ゲームでは嫌味な貴族に絡まれるシーンなども多くあったので、なんとか学園への入学もできるのではないかと思っているが、どうなんだろうな。


 まあ細かいことはまた後で考えるとしようか。




ここまで読んでいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
自分がプレイヤーだったかつ主人公の立場で考えるとリームの様な女は敬遠する 元婚約者相手に嫌がらせされても身体的不全になった相手に「ざまぁ」と言う毒を吐くヒロインはプレイヤーからしたら同情されるがクソだ…
なぜテンプレにしてしまったのか……。 今まで戦闘描写はあんまりでも、ストーリーに見どころがあったのから読んでたのに、戦闘が終わってからから他のなろう小説と全く同じ鈍感主人公のテンプレ展開になったな。 …
[良い点] ファァァァwwリア
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