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ゲームの悪役キャラに転生した俺が、裏でこっそり英雄ムーブで楽しんでたら、俺のことが大嫌いな許嫁にバレてしまった  作者: 木嶋隆太


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 第二層の魔物相手の戦闘も、余裕が出てきた。

 複数体と戦闘しても、危なげなく戦えるようになったし、空間魔法で攻撃しても魔力に余力もある。


 そろそろ、武器届かないかなぁ、とか呑気に考えていると、ヴィリアスが来たという報告を受けた。


「分かった。すぐ向かう」


 使用人にそう伝え、ヴィリアスが待つ面会室へと向かう。

 こちらに気づいた彼女がすぐに立ち上がり、深く頭を下げる。

 ……前に会った時と違って、表情は明るい。

 どうやら、心のモヤが晴れたようだ。


「もうできたのか?」

「はい。こちらが、その短剣になります」


 ヴィリアスがそう言ってテーブルをゆびさした。

 布に巻かれたそれを、俺に付き添っていた兵士が確認してからこちらに手渡してくる。

 鞘に納められた短剣を握りしめ、その感触を確かめる。


 ……これはミスリルナイフか。手に持った瞬間に僅かに光った。

 この光り方は、恐らくレアリティでいうとAランクくらいか。最高がSランクなので、かなり高い部類だ。

 ゲームでは同じ装備品でもレアリティというものがあり、単純に性能が上がるなどがあった。

 それらは、素材に用いた鉱石などを使って鍛錬すれば、レアリティを強化できるが馬鹿にならないほど消費するので、最初の鍛治で高レアリティの武器を用意したほうがラクなのだ。


 武器には最大四つまでパッシブスキルもつくため、最強キャラクターを作りたい人はそれはもうスキル、レアリティを厳選するものだ。


 さすがに、この現実世界でそこまではできないので、まあ有用なスキルがついていたらいいのだが……これ、鑑定系の魔法を持っている人がパーティーにいないとダメなんだよな。

 それもあとで、知り合いくらいにはなっておく必要がありそうだな……。


「どう、でしょうか……?」


 俺がじっと黙ってみていたからか、緊張している様子だ。


「いや、問題ないが……良かったのか? 渡したミスリル鉱石を使ってしまったんじゃないか?」


 ゲームでも、主人公の武器を作ってくれるのだが、まさかこの現実でも同じように対応してくれるとは思っていなかった。

 ぶっちゃけ、ミスリルナイフじゃなくても今持っている短剣に並ぶものを作ってくれればなんでも良かった。

 まだ別に、最終装備というわけじゃないし。


「……いえ、大丈夫です。武器は使ってもらってこそですから」

「そうか。ありがとう。大事にする」


 俺が軽く頭を下げると、ヴィリアスが慌てたような声を上げる。


「れ、レイス様が頭を下げないでください……あなたのおかげで私も、心のつっかえが……とれましたから」


 俺が軽く頭を下げると、彼女が少しだけ驚いたように首を横に振った。

 これは、ゲームでもあったセリフだな。


「心のつっかえ?」

「はい……えーとその――」


 ヴィリアスは、それから師匠との関係について話してくれた。

 ……基本的にはゲームで知っていたものと同じだな。


「だから、その……ありがとうございました」


 ぺこりと頭を下げたヴィリアスに、俺は早速もう一つの目的を話す。


「ヴィリアス。キミの手が空いているなら、今後も鍛治の依頼をしてもいいか?」

「え? でも、私は――」

「鍛治の練習でもいい。うちの兵士たちに武器の納品とメンテナンスを依頼したい。……まあ、あまり大金は出せないが、可能な範囲でお願いできないか?」


 うちの兵士たちの質が良くないのは、武器が貧弱なのも理由の一つだ。

 そこを補強すれば、ちょっとはまともになるはずだ。


 何より、鍛冶の回数が増えればヴィリアスのランクを上げるのにも使えるし。

 関係を維持しておけば、俺の武器を作ってもらうときにもお願いしやすいしな。


「私は……。……レイス様。あなたは、どうしてそれほどの力が欲しいのですか?」


 ……ヴィリアスから予想外の問いを投げられる。

 下手なことを言ったらヴィリアスに断られてしまうよな……。彼女は真実を見抜く力がある。

 かといって、俺の素直な気持ちを伝えたところで変なやつに思われてしまうよな。


「いずれ、この世界には大きな混乱が訪れるんだ。……それから、守りたい人がいる」

「守りたい人、ですか?」


 ああ。もちろん俺自身だ。

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― 新着の感想 ―
ヒーローの台詞なのに実はそうでもないw これ絶対大事な人がいるんだと勘違いされてる 「……それから、自分を守りたい」じゃダメなのか? 事実そのままなら恰好良くはないが、悪くもないのに
[良い点] 合ってるから! 自分を入れちゃいけないことないから!
[良い点] 笑わせてもらった
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