『結びつく運命⑯』
運命は結びへと運ばれていく
それから数日が経ち、以前話した”学内対抗戦前の視察”の時がやってきた。
学園の入り口の方では”ざわざわ”とざわめきが聞こえていた。
”聞いたか!ムシュタル大将、ハンネス大将、それに・・”
”おい!本当か!やっぱり、息子や、白銀の・・が居るからか?”
”俺も””私も””確認しにいこうぜ!””行きましょう”
っと、会話も薄っすらと聞こえてくる。
「参っちゃったねぇ・・」っと、リンが珍しくボヤきながら自分の所へやってきた。
『確かに・・』
そして、今朝がたの事を思い出す。
いつも通りの朝だったのだが、今日は学内対抗戦前の視察日というのは知っていた。
少し眠気が取れなく、ベッドでぼんやりとしていると、隣で一緒にボンヤリとしていた、ナビが”ピクッ”っと、反応したと思ったら。
「ガイウス様より、メッセージが来ました」っと言い、内容を教えてくれたのだった。
『まさか、来るとは。いや、確かに話したいと伝えたけれども、無理にスケジュールを組んだのかな・・』
「それは、私も一緒だね。まさか、お爺ちゃん、自らが来るなんて・・・」っと、隣でリンが言っていた。
ーーー
とりあえず、その後はシュンとマリも合流して、入り口から入ってくる視察団一行を見ることにする。
「おっ、来たな」っと、シュンが言うと、確かに遠くから、こちら側に向かってくる一行が見えた。
(ガイウスさんに、あの精悍そうな人がムシュタル大将かな?・・それに)
「・・・・」
”闇を抱えていそうな”少し、浅黒い感じのする人物が居て、それがハンネス大将だと気付いたのだが、こちらの視線と向こうの視線が、何故か交錯した。
(・・・ん?)
一瞬だけ”苦しそう?”な表情をこちらに見せたかと思ったが、再度、視線を集中させた時は、表情が戻っており、視線も合わなくなっており、一行の進行方向へと消えて行ったのだった。
その後は、ギルドの関係者だろうか。
リンを見つけたのか、朗らかに手を振るうご老人が居て、この方がギルドマスターなのだろうと推測出来た。
そして、そのギルドマスターのご老人も自分の事を見るや”苦しそう”な表情を一瞬だけ見せたが、すぐに表情は戻り、進行方向へと消えて行ったのだった。
coming soon




