『結びつく運命⑧』
少しずつ、分かる自分の事
真実は暴かれる
「でだ、どうする?」っと、ブリッケンさんが話を促す。
・・・
まだ、シュン、マリ、リン共に恥ずかしさから回復出来ていないようだった。
「これは、とりあえず、俺の話でちょっと、クールタイム入れるか!」
”まぁ、クールタイムになるかはわからんがな!”っと、ブリッケンさん言い、自分の魔法紋について気づいた事を話し始めたのだった。
ーーー
「良く、見ろ!分かるか・・?」っと、ブリッケンさんは目の前で、データ化した魔法紋を、目の前の魔力掲示板に映していた。
「えっと・・?」っと、シュンが良く見ながらも顔には疑問を浮かべていた。
「あぁー、分からんか!ったく、最近の若いのは・・」っと、ブリッケンさんがボヤこうとしたところで、”あっ”っと、リンが声を上げて。
「全体を囲むように?いや、なんだろう、ブレてるような?」っと、言葉を零す。
「おお!分かるか!気づいたか!!そうなんだ!綺麗に重なってるんだ!!この紋は、俺の知る限り世界で初めての”2重”の魔力紋なんだ!そして、その性質が、俺は”神の魔力紋”と勝手に呼称してるが、マリの嬢ちゃんより、もっと深く、強く、そして発現もしてるんだ!」っと、ブリッケンさんは興奮気味で言う。
「えっと・・、それは・・」っと、マリが言うと。
「いや、分からんか。普通は”魔力紋は1つ”なんだ。そして、それが基本になって、魔法も回路として、そこを介して発現しているのは分かってるな?シエル坊のは違う、同じのがあるナビさんのもな!」っと言い、話は続く。
「これは”2重”に重なっている、要は”相互に作用して”魔力を無限に増幅させることも可能になっている。普通はそんな事は”不可能”だろう、身体も回路も強度・・、いや、ここは精神と言おう、それが維持できないで崩壊するはずなんだ!」
”ゴクリ”と音が聞こえた。
それが自分のものなのか、はたまた、他のシュンとかの者なのか、自分には分からなかった。
「だが、それを奇跡的な可能性でクリアしている!」そう言って、ブリッケンさんはナビを見る。
「1人だとダメだ、それは崩壊する。なら”2人なら?”【無限の理】だ。”相互する魔法紋”が”2つ”あるんだ。そして、1つなら崩壊するものが、”2つで繋がる事によって”相互に支えあい、または増幅しあい、そして、それで崩壊することも無く、完結しているのだ」
”これは神の紋と今まで、俺が言っていた6つの属性を備えた紋とは比べ物にならない”っと、ブリッケンさんは言い。
「俺が、この紋を呼称するなら【創世の紋】世界の始まりの紋だ。そう、呼称する。いや、そう今から呼ぶ事にする!」っと、ブリッケンさんは声を高々にして宣言した。
そして、少し気恥ずかしくなり、周囲をみてみると。
シュン、マリ、リン、それにマザーまで、呆けた表情をしていて、いや、マザーは狼だから、そんな気がしただけだが。
ナビを見てみると困ったように、笑い返してくるのだった。
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