『結びつく運命⑦』
かくして、運命は強く結びついていく
彼ら、彼女らは選択していく
望む未来に向けて歩みを始めるのだ
「少しは落ち着け、坊主ども!それに、お前らの目は節穴か?ちゃんと、シエルの目を見てみろ!」
っと、ブリッケンさんの一喝で、皆が自分の目を見てくる。
とりあえず、安心させるように、しっかりと目を開いて、頷く。
「あ・・、ごめん。シエル・・」っと、掴みかかりそうになっていたシュンが、そっと、その手を下して謝ってきた。
とりあえず、肩をポンポンと叩いて「そんなに気負うなよ、クールに行こうぜ」っと、伝える。
「最初に、バルとレイにグルメ施設で会った時も、同じ言葉言ったな、それ・・、はは、旧世界の流行り言葉なんだっけ?・・シエル、お前って本当に、不思議なやつだな」っと、シュンはそう言いながら、瞳から少しだけ水が流れていた。
そのまま、リンの所まで行って、涙声で苦しそうな顔になっている、リンの頭を優しく撫でる。
「そういうの、女の子、弱いんだよ?」っと、リンは言い、”信じて、大丈夫・・?”っと、続けて言ったので、力強く頷いてあげると、安心したような顔になり、もう少し撫でて貰いたいのか、撫でている手のひらに頭を押し付けて来たのだった。
少しだけ、リンの頭を撫でて、そのままマリの下に行く。
少しだけ、バツの悪そうな顔をしているマリを正面に見据えて。
『いつも、良く”考えて”くれて、ありがとう。そんな顔をさせて、ごめん』
っと言うと、マリは大きく目を見開き、首を横に振る。
「私も、話が大きくて、でも、良く分からなくなっちゃって・・、それで」っと言って、また辛そうな顔になったので、”大丈夫だから”っと、言ってマリの頭も撫でる。
「ね、ねぇ?分かってる?そういうの”勘違い”しちゃうんだよ?」
”ねぇ、信じていいの?”っと、重ねてマリが聞いて来たので、しっかりと目を見て頷く。
「うん、信じる」っと、マリは言って頬を赤く染めるのだった。
ーーー
「おーおー!焼けちゃうねぇ!シエルの坊やは流石だな!」っと、”ハハハ!”っと、ブリッケンさんが言うと。
シュンも、マリも、リンも顔を赤くして、俯いてしまったのだった。
「でだ、シエル坊よ。あっちはどう対処するんだ?」っと、目で先を促されて、そちらを見ると、複雑そうな顔をしつつ、ちょっと”むくれてる”ナビさんが居るのだった。
(「・・・・」)
色んな感情が薄っすらとだが、沢山、押し寄せてきているが。
やるべきことは分かっていた。
(ナビ、いつも、ごめん。そして、ありがとう)
っと、単純にシンプルだが、自分の思ってる感情をすべて、すべてを打ち明けるようにナビに伝えつつ、頭をしっかりと、優しく撫でる。
(「し、仕方ないですね・・。シエル様は素敵だから、優しいから、ナビだって、わかります。でも、でも、ナビもシエル様の事、その、大好きですから。その、そのことは忘れないで下さいね?」)
っと、その白い肌の頬をピンク色に染め上げて、どんな顔をしたら良いのか悩んだ後に、照れた笑顔でこちらを見つめ返してくれるナビが居たのだった。
「あちゃ~、これは大物だな!ハハハ!いいぞ!俺はそういうのが一番いい!」
「今日は俺の人生で一番の日だ!!」っと、ブリッケンさんが大喜びでいうと、先程までの暗い雰囲気が吹き飛んで行くのだった。
「我も良き日だ、そして、一生この現象は忘れないだろう。我のデータに・・、いや、心に感情に刻まれた」っと、マザーも感慨深く、頷いていたのだった。
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