『結びつく運命④』
彼女の運命もまた
結び結ばれていく
それは救いの運命なのか
救われない運命なのかは
まだ選択はされていない
けれども、彼女は出会えたのだ、仲間と
「どこから話せばいいんだろう」っと、リンの最初の言葉はそこからだった。
実はなんとなく、マリの正体は知っていたんだ。
お爺ちゃんが意味深な事を言ってたからと、切り出して話を始めた。
ーーー
実はギルド、このヒノモトの支部をまとめるマスターの、孫だという事。
親は親軍派で、ギルド内でも高位に居る事。
実はシエルくんを一度、見たことがある事。
シュンくんも、親同士で会合してる際に見た事があること。
マリちゃんの存在は薄っすらと、同じ年齢の女の子が皇室で居ると、お爺ちゃん・・ギルドマスターに教えられていて、入学の際に高貴の方が来ると言われて、予感はしていたこと
ーーー
「そして、一番驚いたのは、レイちゃんの事」っと、リン。
「ん?なんで、突然、レイの事が出てくる?」っと、シュン。
「小さい頃に会ったことがあるの、最初見た時、姿が小さかった頃に出会った姿と乖離し過ぎていて気付かなかったの」
「えっと、小さい頃に出会っていたの?」っと、マリが話を促す。
「うん。私の親の繋がりで、レイちゃんの家族は反軍派だったけれども、仲良くしてたの、だけど・・」
”ある日、そのレイちゃんの両親が行方不明に、そして、コロシアムにて死亡の確認。それから、レイちゃんも行方不明に・・”
「私、忘れようとしてた。そして、忘れることに、記憶の蓋を締めることに成功していたの、最低なの・・、私・・私・・」っと、リンが言葉を紡げなくなり”ッ・・”っと、息が聞こえたら、心でせき止めていたものが溢れ出すように、涙を零し始めたのだった。
「俺も、最近思い出すんだ、バルのことを。あいつは、記憶の中で生きている、あいつは、あんなやつじゃなかった」・・そう、シュンが重ねて切り出してきた。
「シエル様・・」っと、ナビ。
(そうだな・・)
っと、皆が少し落ち着くのを見計らって話を切り出した。
ーーー
『以前、ナビから学園寮のマザーでさえ気付かない、細い闇属性の魔力の糸の話をしたと思う』
そう、切り出すと、涙で目を腫らしたリン。
それを慰めていた、マリ。
バルの事を考えていたであろうシュンが、こちらに視線を向けてくる。
『自分もあの後、確認した。そして、気づいた事もあるんだ』
「・・・それは、悪い話なのか?」っと、シュンが尋ねて来たので、”残念だけれども”っと言い、首を縦に振る。
「えっと、シエルくんは何に気づいたの?」っと、マリが先を促して来たので、自分で気づいて、ナビにも確認させて分かったことを皆に伝えることにするのだった。
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