『されど邂逅せし運命㉕』
自分の運命は、自分でも決められる
ただ、そこには選択があるのみ
彼女はそして、選択する
「ほう、で。坊主、いや、シエルか。名前は知っておるぞ」
”良く目が覚めたな”っと、凄く優しい目でブリッケンさんがこちらを見て来た。
「で、お前がシュンか。ほう、でかくなったな!ま、お前は俺の事なぞ、小さかったから、覚えとらんと思うがな!」
”ハハハ”っと、愉快そうにブリッケンさんは笑う。
「っで、嬢ちゃんたちだが・・ふむ。」っと、思案顔になって。
「ま、言いたくない事や、教えられる事とかあるだろうからな!俺からは何も言わん。だが、自分に素直になりたい時、伝えたい時は”こいつら”には頼ったり、話していいだろう!」
”ま!説得力は皆無だが、この俺が保証する!”っと、意味深にこちらを見ながら、深く頷いてるブリッケンさんが居るのだった。
ーーー
「だが、シエルか。それに・・」っと、ブリッケンさんはナビを見る。
「完璧な現実化か、まさか、この目で拝めるようになるとはな」っと、意味深にブリッケンは頷く。
「ナビさんと言ったか、お前さんから見て、この”マザー”はどう映る?」っと、ナビに質問をブリッケンさんはする。
「・・・私は、・・」
ナビの視線がこちらに向く。
『いや、ナビの話したい通りに話していいよ』
”ありがとうございます、シエル様”っと、ナビが前置きをし。
「先程、ブリッケンさんの感情についての”考察”に関しての通り、ここの”マザー”は既に”個”を確立されてると思います」っと、ナビは言う。
「重ねて、これは先程、城門にて感じた部分に推測になるのですが、マザーが”個”を確立したのと、同時に”未知の属性”が開花されたのだと思います」
ナビが、続けて言ったセリフを聞いたブリッケンさんは”大きく目を見開いた”
「おおお!そうか!そうか!分かるか!!やはり、俺の考えは”間違えて”なかった!」そこには嬉しそうに”涙を零す”ブリッケンさんが居た。
ーーー
「えっと、どういうことだ」っと、話を聞いていたシュンが言う。
「我もすべては分からない、だが、ブリッケンがずっとここで研究していた事が”実った”ことだけは、我にも分かる」っと、マザーが言う。
「・・・あの」あの後、ずっと考えており黙っていたマリが、少し、逡巡した後に、言葉を発した。
「それは、多分。いえ”私の家系”のせいかも知れません」
っと、言い。
「む、良いのか?他言無用では無かったのか?」っと、ブリッケンさんは涙を腕で拭きつつ、驚いた様子でマリを見ていた。
「いえ、先程、それよりもずっと前から、お伝えしようか、するべきか、迷っていましたが」
”生命は縛られてはいけない”の部分と、”素直になりたい時、伝えたい時”が今だと感じました。
っと、マリが続けて言い、自分の身の上を話し始めるのだった。
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