『real?③』
〝さようなら〝
そして
〝はじめまして〝
『"選ぶ"しかない──ということか』
【選択】
この言葉は……重い。
産まれた頃から、この”選択”というものに、振り回されて来たのだと思う。
人付き合い、環境、運命……とりあえず──”なんでもいい”。
分かっているのは”選択”して「望んで」その果てに──結果が手繰り寄せられるのだということ。
そこに後悔はないが反省はする時もある。
『後悔はしてはいけないもので、反省はいくらでもしてもいい』
(誰の言葉だっけ──?)
(そんな言葉、あったっけ……?自論?)
(ははっ……まさかな)
よし、落ち着いてきたか。
(思考、良好)
(視覚も、クリア)
(思考のギアは上がってるかい?)
(上がってるな。……これ以上ない程に)
”選択”か──。
(俺にはそれが、苦手だよ)
そう”しまらない”感じで──俺は【夢から覚める】事にした。
「ピンポーン!」
電光掲示板の内容が移り変わる。
*
【行き先を確認しました】
【ありがとうございます】
【以降は私「ナビ」がサポート致します】
*
(ナビ……?そのままの意味か?また安直な──)
(本当、しまらないな──)
苦笑しようと口を動かそうとした時は既に、意識が遠のいていっており、それをどこか他人のように思いながら、俺の意識は暗い底へと落ちていったのだった。
そして彼は夢から覚めることになる
夢から覚めた世界は
果たして彼に何をもたらすのかは
まだ誰にも分からない