『されど邂逅せし運命㉑』
それは誰にも開けられない門のはずだった。
(不思議だな。まるで、最初から”誰かを待ってるよう”に、魔力を、そして属性を要求してきてる印象がある)
『・・・』
魔力を通してみて、分かったことがあった。
まずは”光属性”を。
そのまま割合で言えば100%の要求量で来るので、応えるように魔力を流す。
次は”闇属性”を。
これも、割合で言えば”100%”の要求量で来る。
(通常だと、複数属性というのは100%の割合から、各属性へと、適性値に伴い、分散されるものだが・・)
だけれども、自分にはそれに”応えることが出来る”
次は”火属性”を・・・
(これは、通常だと絶対に開けられないだろう)
(「ナビも、そう思います。各属性の要求、それに伴う魔力量と、それを維持する強度。すべてが人間に求められる量ではないです」)
火属性・・水属性・・風属性・・土属性・・。
(よし、これで終わりだな?)
っと、思ったら”異変”があった。
(ん・・?もう”1つ”求められている?・・・ナビ?分かるか?)
(「・・・確証は無いのですが。シエル様、これは、私のほうでも”未知”だと言っていた属性です。6つの属性、そして精霊紋、それに伴って、生じた属性だと」)
(そっか、でも、この求められ方は”嫌な感じ”はしない)
(「ナビもそう思います」)
『それなら、答えは1つだな・・』
最後の”未知の属性”の方にも魔力を通すことにする。
「おおおお!シ、シエル!」
シュンの慌てる声が聞こえて、城門を見てみると。
各属性に合わせた術式部分は、淡く光り輝いており。
それを覆うように、最後に流した”未知”の属性であろう、白銀の色の魔力の淡い光が城門の術式を囲っていた。
「綺麗・・・」それは、マリの声か、リンの声かは分からなかったけれども。
それに呼応するように、城門はひとしきり輝きを放った後に、術式が消えて、城門の中心部分から、城門自体が霞の如く、消えていったのだった。
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