『されど邂逅せし運命⑳』
未だに、その城門を開錠出来た者はいない。
「そろそろ、見えてくると思うんだけどな・・」っと、シュン。
その言葉を皮切りに、少し周囲を見てみるが、ビル群が立ち並んでいた、商業区エリアの中心地から離れて来ている時点で、周囲はだいぶ開けている印象だ。
「えーと、あれじゃないですかね?」っと、マリ。
マリの指し示した方を見てみると、遠くに薄っすらと工房?にしては大き目な施設が見えて来たのだった。
ーーー
「皆様、ありがとうございます」っと、ナビ。
ナビの体力具合を見て、皆、歩く速度を合わせて来たのだった。
「それにしても、ちょっと大きいねー!」っと、リン。
確かに、”見上げて”みたら、大きな城門が、前に立ち塞がってた。
「えっと、どう開けるんだ?これ?」っと、シュン。
確かに、見てみたところ、開錠する場所も見当たらない。
「ここですね!・・ここの、魔法紋が開錠の部分になっている”はず”です」
”そう、皆がここを発現出来なくて、未だに開錠出来た者が居なかったはずです”と、マリが続けて言った。
「ちょっと、試しに俺が、試してみるかな・・」
そう言いながら、シュンが魔法紋に手を合わせて、魔力を通してみる。
「あっ!城門に変化があるよ!」っと、リン。
リンの言葉に合わせて、城門を見てみたら。
城門には、巨大な魔術式=魔法紋の一部が光っていた。
「これは、光属性の部分に該当するみたいですね・・」っと、ナビが隣で解析結果を伝えてくれる。
「だぁー、ダメだ。・・維持が出来ない」っと、シュンが魔力を送るを止めると、それに合わせて城門の魔術式の光属性部分の魔法紋部分が消えていく。
ーーー
「よーし!次は私!」っと、リン。
リンは風属性が。
「私は・・今回は見送りますね」っと、マリ。
「えー!」っと、リンが言っていたが、「まぁ、マリも結果が同じだろう」っと、シュンが言い”そうなると・・”っと、自分を見て来た。
「まぁ、そうなるよねー」っと、リンも自分を見る。
「ですね」っと、マリも、こちらを見る。
『そういう訳みたいだ、ナビ』っと、自分は”ナビを見る”
「ふぇ?!え!?・・こ、ここはシエル様じゃないのですか?!」
”い、いえ!やってと言われたら、出来るような気がしますが!え、えっと、今のは私じゃないと思います!”っと、慌てふためくナビさんが居た。
「シーエールー!あんまり、からかっちゃダメだぞー!」っと、シュンの言葉で気持ちを切り替える。
ナビを改めて見てみたら、マリとリンに”やっぱり、可愛いなー”っと、もみくちゃにされていた。
『よし!とりあえず、やってみようか!』
そう、気持ちを切り替えた自分に気合を入れて、開錠の為の魔法紋の部分に手を合わせる事にしたのだった。
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