『されど邂逅せし運命⑲』
買い物は楽しいものですね
「おーい!シエル、探したぞー!」っと、シュン。
『悪い!』
そう、言いながらシュンの元へ辿り付くと、シュンの方は無事に木剣の購入を終えていたようだった。
「いやぁ、良い感じのがあって良かった!」
そっと、見せてくれたのは、しっかりとした作りの、深く魔法紋が刻まれた木剣だった。
「良い感じだろ?・・っで、シエルたちは、どうしてだんだ?」
『いや、俺たちは”コレ”を・・』
「へぇ・・、魔法紋自体が”デザイン”になってるのか・・、ふむ」
っと、シュンが見ているところ。
「へ~!シエルくんも、買い物してたんだね!」っと、リン。
「なんだか、手持ち無沙汰にさせてしまったかもと思ってたけれども、よかった」っと、マリ。
2人も購入が終わったのか、ホクホク顔で、こちらへと合流してきた。
「それにしても”ブリッケン”さんの作品かぁ。”運命を”感じちゃうね!」っと、リン。
「これから”向かう”ところだから、尚更ね」っと、マリ。
「ま、とりあえず。時間も限られるから手早く行こうぜ!」
っと、シュンの一声を最後に、自分たちはブリッケンさんの工房へと向かうことにした。
ーーー
「そういえば、ナビちゃんは大丈夫ー?」っと、リン。
「エリアの端っこの方に、ブリッケンさんの工房はありますからね・・」っと、マリ。
「だ、大丈夫だと思いま・・、いえ、少し辛くなりましたら、シエル様・・?」
っと、最後には”甘えたような”視線を向けて来たので。
『あぁ・・、もう、仕方ないな。その時は”おんぶ”するよ』
”えへへ・・”っと、照れて笑うナビがそこに居た。
(けれども、魔力車・・ブリッケンさんの所まで行かないのかな?)
(「・・・」)
う、うん。
深くは掘り返さないようにしよう。
「おーい!シエルー?」っと、シュンの声が聞こえてきて、自分は本格的に歩を進めることにしたのだった。
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