『されど邂逅せし運命⑱』
やはり、彼の作品は良いものだ
けれども、やはり6つの属性紋を刻むことをしている
何故かは、詳しくは誰も知らないのだ
シュン、マリ、リン、曰く”武器屋といったら、ここ!”っと、いう場所に来ていた。
ナビは引き続き、おんぶしている状態だ。
少しだけ、周りの視線も感じるが、まぁ・・、ナビから感じる幸せオーラを考えれば、多少、目を瞑っても良いのだと思うのだった。
ーーー
「へぇ~!やっぱり取り揃え、いいね!」っと、リン。
ウキウキで、物色している。
「リンー!とりあえず、木剣、見に行くよー!置いてっちゃうよー!」
マリが、そんなリンに注意を促していた。
「シエル、すまないな。先に俺たちの用事からで」
『いや、大丈夫。それに自分のはどうなるか”わからない”しね』
「はは、確かに」っと、シュンが言ったところで、マリもリンを捕まえて、木剣コーナーへと来ていた。
ーーー
「えっと、色々あるねぇ・・」っと、リンが右に左に、商品を手に取りながら見ている。
木剣といえは言え、それなりに量が置かれていた。
その理由は明確で、まずは木材の質、誰の、どこのメーカーの刻印が刻まれているか。
刻印も属性、精度と多岐に、その選択の幅が増えていくために。
”それなりの量”がある状態になっていた。
「とりあえず、俺は自分に合う”光属性”の方の木剣を、見てくるわ!」っと、シュン。
「私は土属性で」っと、マリ。
「私は風だねー」っと、リン。
3人がそれぞれの、自分に合った木剣を探しに散らばっていった。
ーーー
(さて、どうしようかな)
『ん・・?』
木剣コーナーの反対側の”端っこ”のコーナーに目が向いた。
『これは・・』
(「安定のブリッケンエリアですね・・」)
やはり、人気がない。
っと、いうよりは”扱える人が居ない”からだろうか。
ちょこんと、そのコーナーはあったが。
(そんなにブリッケン作品が無いのだろうか。他の”売れない商品”っと、一緒になってるな)
『うーん、旧世界はこういうエリアを・・』
(「ジャンク品エリアと・・」)
ジャンクなんて、そんな酷い、っと思ったが、確かに色々と、売れない商品を”一纏め”にしてる辺り、表現はあながち間違えてはいないのだろう。
『これは・・、ちょっと、気になるな』
”スルスル”っと、気になる商品があるので、手に取ろうと思った時に、ナビがおんぶから降りてくれた。
(ありがとう、ナビ)
(「いえ、こちらこそ。シエル様を感じられて、ナビは幸せでした」)
”えへへ”っと、照れ笑いしているナビを横目に、気になった商品に視点を戻す。
『転送袋かな?』
「・・・みたいですね」
(デザインは”これみよがし”に、刻印自体をデザインにしているな)
よくよく、見てみたり。魔力を通してみると、利便性の高さに驚いた。
『口の伸縮、耐久性の維持、及び、クリーン機能。冷暖もそうだし・・、これは6つの属性をフルに活用出来るほど使い心地が良くなるような設計だな』
「ですね。質も細かいところまで、やはり、技術の高さと着眼点の良さも窺えます」
『他のは・・、大丈夫そうかな』
とりあえず、お気に入りの”転送袋”を見つけて購入に向かったのだが、店員さんには”再度”購入を大丈夫か確認されるのだった。
(まぁ、質も良いから値段も張るからなぁ。使える、正確に言うと扱える人が実質”居ない”ようなものだからか)
(「ですが、私たちの場合は”良い買い物”が出来ましたね!」)
(そうだね、これは”良い買い物”だ)
ナビと”2人並んで”歩きながら、シュン達の居る木剣コーナーへとナビと一緒に戻るのだった。
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