『されど邂逅せし運命⑰』
同化するのと、実際に触れて感じる、想いは違くて
彼女は暖かさを選択している、そこに感じたい人が居るから
その後は、部屋を出て学園寮の駅のホームから。
魔力車を通じて、商業区エリアのホームへと皆で辿り着いた。
「こんな、ゆっくりできる日も珍しいし、ちょっと話ながら歩いていこうよ!」っと、リン。
「それは、いいですね!」っと、マリ。
なんだか、シュンと最初に部屋の家具を買いに来た時が懐かしいなと、思っていると、シュンが”シエルは大丈夫か?”っと、尋ねて来たので”大丈夫”っと、軽く声を返す。
(まぁ、自分もあれから、ちょこちょこタイミングを見ては学園寮の訓練施設の方で身体作りしてるからな)
っと、考えていたところで”ふと”気づく。
(ナビ・・?ナビは大丈夫?)
(「は、はい!ま、任せてください・・」)
ーーー
商業区エリアに着いたら”案の定”の事になっていた。
「み、皆さま。・・本当に申し訳ございません・・」
そこにはバテバテのナビさんが居たのだった。
「もうー!ナビちゃん、無理し過ぎたよー!」っと、リン。
「あれ・・?でも、精霊として、シエルくんと”一緒”になっている事も可能だったのでは?」っと、マリ。
た、確かに・・、どうしてだろうと、ナビを見ると。
ナビは恥ずかしそうにしながらも。
「・・・いえ、現実化していると、皆さまに触れ合えますから。・・それにシエル様を感じられますから」
っと、ポツリと告白していた。
(「・・・・」)
無言のナビさんの恥ずかしい気持ちが、こちらにも薄っすらと伝わってくるのを感じる。
『・・・。ほら、ナビ”背負う”よ』
”あっ、いえ、そんな・・”っと、困惑するナビが居て。
『それに、ほら。ここで立ち止まると今日やりたいこと、間に合わないだろう?』
っと、いうと、渋々と諦めたように。
「シエル様・・、すみません」
っと、ナビが背中に抱き着いてくるのだった。
『それじゃ、いこっか』っと、いうと。
やり取りを、少しだけ目を丸くして、やりとりを見ていた3人に言うのだった。
ーーー
(「えへへ・・・」)
ナビさんの幸せオーラが背中から感じる。
そろそろ、歩けるのでは?っと、思いながらも、ナビさんが幸せそうなのもあり、おんぶを継続することにする。
(でも、もう少し”膨らみ”があれば・・)
(あ・・・)
おっと、幸せオーラに気を当てられ、緩んでいたのかポツリと危ない言葉を言ってしまったが
(「・・・よいのです」)
”ギュッ”っと、心なしか、先程よりも強く抱きしめてくるナビがいて
(「シエル様、いつも、ありがとうございます。ナビのこと”何があっても”離さないで下さいね」)
っと、伝えられてくる。
(大丈夫、どんな時があっても決して、離さないよ)
そう、想いを伝え返して、ナビからの安心の気持ちと幸せなオーラを感じつつ。
先を歩く、シュン、マリ、リンたちへと歩くのを継続するのだった。
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