『されど邂逅せし運命⑮』
陶器のように
大切に扱わないといけないのです
いえ、決して”薄い”からという訳ではないのです
”ええ、決してないのです”
(「・・・・」)
「おーい!シエルー!」
“おーい!”と、シュンの声が、どこか遠くに感じながら、聴こえる。
「シ、シエル様…、シエル様…」
ナビの声も聴こえ、それに、揺すられている感覚も。
「シエル様…?今日は休みだから、皆で、商業区エリアに行く約束をしていますよ?」
“シエル様…?シエル…”
ナビの声も、なんだか、気持ち良く聞こえて…。
(「むぅー」)
“ゴトゴト、ゴトゴト…”
おっ…、なんだか、ベッドが“ボコボコ”と凹んでは凸でて、これは、ブリッケンさんベッドを上手く魔法を発現させて…。
(でも、ナビ…。それは…、更に、マッサージみたいになってしまって、気持ち良くて、眠く…)
あっ…、もう、なんだか“また”意識が、ボンヤリとし始めた時に
「シーエールー??おーい!入るぞー!!」
っと、シュンの声が遠くに…、遠くに聴こえて…。
「あぁ…!えっと…、シ、シエル様!し、失礼します!!」
“ムギュッ”と、“何か”に、包まれたような、感触があった。
「こ、これで!起きますよね?!」
ナビの声が…、遠くに…。
(うーん、でも、もう少しだけ“膨らみ”が…あれば、気持ちいいような…)
ーーー
(「・・・・」)
急に、冷水を浴びせられたかのように、背筋が“ゾワゾワ”とする感覚があり、目を覚ます。
「シエルー!起き・・・、“ぁ”、ごめん…、後で“もう一度”来るわ・・」
少しだけ、足を踏み入れてから、隣の、自分の室内に戻っていく、シュンがそこに、居た。
(・・・)
どちらかというと“あっ、マズイ”と、いう気配を、シュンに感じたので、自分も“その正体”を振り返り、見る事にする。
振り返った先には“先ほどまで”包んでくれていたのは、ナビだったのだろう。
いえ、“ナビさん”が、そこに居た。
(「・・・・」)
“ジー”と、凄く、すごーく、恨めしそうな目で、自分を見てくる”ナビさん”が、そこに、いらっしゃったのだった。
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