『real?②』
夢は覚めるもの
覚めない夢など
存在し得ないのだから
(夢? 夢だと?)
(この寒さ……寒さ?)
(この頭の痛み……痛み?)
(あれ……感じない?)
【〝夢〝は終わります】
(いや、何を言っている?)
(いや、ここは書いているが正しいのか?)
いやいや、そんなセルフ突っ込みなんて意味が無いだろう。
(人の視界の情報は全てじゃない)
皆が見ている景色は同じとは限らない。
色だって、赤色が皆の云う赤色とは限らないのだから。
(いや……何を言っている?)
(一周回ってしまって”何を言っている?”)
*
【行き先ボタンを選んでください】
①やり直す※同じルートを辿ります。
②目を覚ます※夢は終わりです、ありがとうございました。
③……④……⑤──選択不可
*
(は?)
(待て、どういう意味だ?)
落ち着け──いや、俺は落ち着いている。
(どういう状況だ?)
神様は?それとも悪魔?心霊現象?
なろう系?転生もの?
いや、俺だって娯楽の一環で親しんではいるさ。
そういう物も、確かに読んだことも……。
いつかは電子の世界に入って、遊べる世界が来るのかもとか。
巷では、4DXという体感型”なんちゃら”もあるのも、聞き覚えはある。
(けれども、一体全体〝これは〝なんだ?)
(ドッキリ……?)
『こんな、深夜に?しん──』
(いや、時間経過がおかしくないか?)
それに、電光掲示板も表示が変わらない。
①、②だけのボタンが押される──いや、「選択」されるのを待つように光っている。
『嘘……だろ?』
けれども、何も変わらない。
謎のアナウンスの書き込みも、変わらない。
そこに、あるのはただ──。
【やり直す】か【目を覚ます】
どちらかの〝選択〝しかなかったのだった。
すべての人生には無数の選択があり
選択は常に迫られている
それを選ぶ行いを「運命」ともいう