『されど邂逅せし運命⑬』
変わり者が居た
”何か”を待つように
ずっと囚われたように
”6つ”の魔力紋をひたすら刻んでいる者が
かの者に邂逅するのもまた”運命”か
「しかし、困ったな」
そんな中、シュンがポツリと呟いた。
『ん・・?どうした・・?』
っと、呟きの声を拾ったので、問い返すと。
「いや、そうなるとシエルの木剣に刻印する魔力紋についてだよ」っと、シュン。
「あ~、確かに!」っと、リン。
「確かに、それには困りましたね・・」っと、マリ。
「あの・・私の考えなのですが・・」
っと、そんな中ナビが恐る恐る話を切り出したで”ん・・?ナビ?”っと、反応を返すと。
「”ブリッケンさん”にお願いしてみるというのは、どうなのでしょうか?」
っとナビが言うと、シュン、マリ、リンの時が止まったのだった。
ーーー
「いや、俺も一瞬それは思ったんだ」っと、シュン。
「でもね~・・」っと、リン。
『えっと、どういう事・・?』っと、質問をすると。
「実はね・・」っと、マリが話をしてくれた。
・ブリッケンさんは商業区エリア内には居るけれども、”引きこもってる”との事。
・噂によると、商業区エリア内の端の方に工房を構えてるみたいとの事。
・尚且つ、その扉には”特殊な施し”がされており、容易に尋ねることが出来ない事。
・噂の通り、”6つの紋”を刻印するのに拘ってる変わり者らしい
「っと、言う感じの凄いレパートリーの人なんだよね」っと、マリが説明をしてくれた。
「そうそう!それにその”特殊な施し”って、”6つの属性を同じく扱える人しか開けられない”ような・・・あ!」そこで、言葉を区切って、リンがこちらを見る。
「・・・居るな、ここに」っと、シュン。
『うん、ここに居るな・・』っと、”ナビを見る”。
「えっ!?シエル様!?ち、違いますよ?!いえっ!私も確かに”扱えます”が!えっと・・絶対にここは”シエル様”の事を指していると!不肖ながら、ナビは思いますよ!」
っと、物凄い混乱してしまったナビが居た。
「あはは!ナビちゃんは可愛いねぇ~」っと、言いながらリンが手を伸ばしてナビの頭を撫でると。
「あっ!私も・・!」っと、マリ。
「あ・・あぅ・・や、やめ・・。あ・・あの・・シエル様!た、たすけ・・」
(・・・ふっ)
っと、横目に撫でまわされ始めたナビを見てると。
「よし!仕方ないな・・。今度の休みの日にブリッケンさんの所、行ってみるか!」っと、シュンが言い。
皆がとりあえず、各々の属性に該当する木剣を購入次第、ブリッケンさんの所へ行くことに決めたのだった。
ーーー
「だーめだよー!!ナビちゃんはこっちー!」
「し、シエル様ー!!」
そして、また入浴施設へ皆へ行った際に、”一緒に”入ろうとしてきたナビを連れて行くリンが居たのも、”いつも通り”だった。
(そう思うと、ナビの恥じらい部分が分からないな・・)
っと、思うのと同時に。
(いや、良く思えば毎回、自分が起因する恥ずかしさはあるような・・・)
っと、もしかして”凄く想われているのでは?”考えに陥りそうになる一歩手前で思考を切り替えてシュンと”一緒に”男湯の方へと向かうのだった。
coming soon




