『されど邂逅せし運命⑪』
食べ物の美味しさは時に思考を麻痺させる
それはきっと精霊も変わらないはず
「いやぁ・・本当に学生寮エリアのグルメ施設のご飯は美味しいね~」
ペロリと舌を出しながら、お茶目にしてリンが感想を述べていた。
「なひも、ふんももいます!(ナビも、そう思います!)」
(・・・)
ナビさんや、意外と食べるのにハマったと見るべきか。
本日も目をキラキラと輝かせながら、本日は生クリームたっぷりのパンケーキを食べているのでした。
『・・・ではないや!』
「えっ?なに、どうした、シエル?」
隣に居たシュンがびっくりした顔でこっちを見る。
『あ、いや、すまん。何も気にしないでくれると助かる』
「お、おう・・」
少し疑問を残したような顔のシュンが、また食べ始めるのに戻ると。
「えっと?・・・魔力紋の事、話すんじゃなかったっけ・・?」
「あぁ!確かに!ごめん!美味しくて忘れそうになってた!」
マリの呟きにリンが咄嗟に反応を返していた。
”にゃひも・・ふんももいもいましむ(ナビも・・そう思っていました)”
リンのは分かる。
・・・ナビさんのは・・先程から”美味しい美味しい”しか感情が薄っすらとだけれども、それしか伝わって来てなかったから、グレーな判定の所だ。
(ジー・・・)
(「サッ・・・」)
あっ、目をそらした。
いや、これは黒だったみたいらしい。
(はぁ・・まったく”可愛いかよ”)
「ゴホッ!」
「ん!?ナビちゃん大丈夫?!」
(あっ、やばい・・)
ちょっと、顔真っ赤になって恥ずかし&慌ててるナビがそこに居たのだった。
ーーー
(「ジー・・・」)
ナビさんがずっと見ています。
まぁ、内心どういった心情でよいか混乱しつつ、自分を見てるのが伝わって来ているから良いとしよう。
「・・で、皆大丈夫かな?」
マリが皆を見つつ確認をする。
皆、紅茶だったり、珈琲だったりを淹れて来て、お話するムードになっていた。
「魔力紋だよね!皆、武器というか木剣で持ってるのかな?」
「いや、準備も出来ていないというのが実情だな。そこから用意しないとだな」
リンの言葉にシュンは返しつつ──。
「私もかな」
「私もだねー!」
マリとリンも準備が出来ていないと反応をしていた。
「・・・でも、問題は」
リンの言葉を皮切りに皆がこちらを見る。
”ナビさんは未だにジーっとこちらを見ているが”
「シエルくんのだよね!」
そう、リンが言葉を締めて、こちらを未だに見る。
『ん・・?俺の・・?』
「いや、シエルの属性のせいというか・・。シエル・・?ここだけの話、お前って属性ってどうなってるんだ?」
シュンが疑問顔で聞いて来た。
「確かに、今日の訓練の時に見てる限り・・、光も、闇も・・後は身体は細胞活性化させていたの?水属性なのかな?」
マリも続けて疑問と考察を投げ掛けて来た。
『・・えっと、ナビ?俺の属性は”どうなっているんだ?”』
「ふぇ・・?」
ずっとこっちを見ていたナビは素っ頓狂な声をあげる。
「えっと・・ナビちゃん?」
リンが言葉を促すと──。
「あ・・はい!えっと・・ですね。えっと・・はい」
ナビはちょっと落ち着きを取り戻してから、俺自身の属性に関しての”予測”を話してくれた。
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