『されど邂逅せし運命⑦』
そして、物語の一歩が動き始める。
「今年は不定期に開催されていたが”学内対抗戦”を執り行う事に決定した」
”ざわざわ”と、教師の言葉を聞いた後、教室内がざわつき始めたのを肌で感じた。
「静かに!今回の開催だが”ハンネス大将”の推薦もあり催される事になった」
「ハンネス大将には感謝するように!」
ナイスミドルな教師はそう言いつつ、周囲が落ち着くのを待ってから、言葉を続ける。
「今回もルール、エントリー条件等は変わらずで行く、各自確認するように。そして、エントリー期間だが今週末までとする。なので、エントリーする者は速やかに対応するように」
「以上となる!次は訓練施設での案内になる、時間になったら来るように!」
最後に、そう伝えてナイスミドルな教師は教室から出ていった。
「おぃ!どうする?」
「これで功績を上げたら、軍かギルドにも目を付けて貰える!」
「だけど、木剣でも痛いだろうし、魔法はマザーが致命傷は緩和させると言ってるけれど・・」
「5名1チームだよな!」
「いや、上級生も居るし、今年は・・、バル──、シュン──、白銀の──」
ーーー
(色々と話が各所で盛り上がってるな・・)
「えっと、シエル・・」
(ん?)
周囲の声に耳を傾けてた時に、隣に居たシュンが恐る恐る話しかけて来た。
「いや、えっと説明しづらいんだが・・」
シュンが改めて、切り出そうとしたところ。
「おぃ!シュン!まさか、逃げるのか? はっ!やっぱり、腰抜けはいつまでも腰抜けだな!」
バルがこちらへ歩みよりながら話しかけて来た。
「お、俺は・・・!」
「怖いんだろう?なぁ・・!それに一人ぼっちだものな!今は寄ってたかってるみたいだが! はっ!お前はいつも1人なんだよ!」
「そ、そんなことは・・!俺は・・!」
シュンの右手を見ていたら、これでもかと手を握り締めて”震えて”いた。
そして、自分に目線を向けて来たのだった。
ーーー
(選択の時、だな)
『バル、すまないがシュンは1人じゃない。俺もまだ概要は詳しくは分からないがシュンと出るよ』
「私も出るよー!」
「わ、私もです!」
リンに、マリもその後に続いて声をあげた。
「はっ!ルールも何もまだ分からない素人の寄せ集めが!まぁ、シュン。楽しみにしてるよ」
「ふんっ!」
こちらにひと睨みして、バルは立ち去っていったのだった。
ーーー
「シエル・・、マリ、リン、俺は──」
シュンはどこか申し訳なそうに、佇んでいた。
「なーに!”学内対抗戦”と教師が言ったところで、私はそんな気がしてたよ!」
「私も既に何かあると思っていたので」
リンとマリがお互いに頷きながら言っていた。
(あれ・・、もしかして、本当に何も分からないのは俺だけ・・?)
(「・・・みたいですね」)
『えっと・・』
ちょっと、困った感じで切り出したら。
「まぁ、シエルくんはわからないよね!」
リンが言葉を重ねて言ってきた。
「えっと、シエルは何も分からずにも俺の事を──?」
シュンがどこか感激したようにこちらを見てくる。
『当たり前だろ! それに、皆でバルとレイを”助けるんだろ?” 対抗戦という言葉からしか想像できないけれども、”接触”するには良い機会だと思うんだ。むしろ、これしかないと思う』
「シ、シエル・・!」
完全に感激しているシュンがそこに居て、どんな反応を返せばよいか悩んでしまっていると。
「私もまだ情報が不足し過ぎていて不確定ですが、シエル様の”選択”なさった判断は良いかと思います」
ナビが続けて同意してくれていた。
「ま!そうなると、まずはシエルくん、ナビちゃんにルールとか条件を説明しないとね!」
「確かに!まだ、訓練施設へ行くまでの時間はありますから確認しましょう」
リンの言葉に続き、マリの発言もあって、まずは学内対抗戦についての情報をまとめるのだった。
学内対抗戦
不定期に開催されて、軍、ギルドの関係者も来る。
そして重鎮も来る時があり、高校からの軍、ギルドの体験する一環のイベントがあり
その際に待遇が良くなる時があり、一大チャンスでもある。
そして、イベントでもあり、出店や催し物をやったりの大きなイベントでもある。




