『されど邂逅せし運命④』
いつだって朝は来て
そして変わりなく
優しく迎えてくれる
「シエル様・・?シエル様・・?朝ですよ・・?」
身体を揺すられる感覚と、耳元からナビの声が聞こえてくる。
『うん・・?もう少しだけ・・』
「おーい!シエルー!起きてるかー!そろそろ時間だぞー!」
仕切り壁の向こうから、シュンの声も聞こえてくる。
(これは起きないといけないようだ)
少しだけ、まだ眠い頭を無理やりにでも覚醒させて目を開くと。
『えっと・・?』
「・・どうですか?・・似合ってますか?個人的には結構・・あの、良いとは思うのですが」
おっかなびっくりな反応をしながら、"ヒラリ"と一周して”制服に包まれた”ナビがそこに居たのだった。
『・・・』
(可愛い・・)
「・・えへへ」
おっと、気持ちが薄っすらとでも伝わったのか、気恥ずかしそうに嬉しがるナビが居た。
「おーい!シエル―!・・って、おぉ!?」
(あぁ・・、わかるぞ)
こちらを伺いに来たシュンが驚いてる様子が見えた。
「可愛い・・」っとも聞こえた。
(うん、重ねて言う”分かるぞ”だが、ナビは自分の……)
『それにしても、その制服はどこで?』
「ガイウス様が仕立ててくれました。何もないとそれはまた目立つからだろうと。あれです!”カモフラージュ”というやつですね!」
ナビはここぞとばかりに”えっへん”っと、胸を張って・・胸?
(「・・・」)
いや、まぁ、うん。
でも、逆に可愛くなって、果たしてカモフラージュの効果があるのかは、如何せん疑問を伝えたいところだった。
(「えへへ~」)
”可愛くなって”で、機嫌が良くなったのか、ナビの様子は目に見えて嬉しそうに。
(いや!?チョロくないか?!)
”まったく、仕方ないな・・”っと、昨夜寝る時も同じような感じの気持ちになったのを覚えつつ、自分の支度を始めたのだった。
ナビさんは可愛い
そして、誰のマイエンジェルかは……




