『されど邂逅せし運命②』
巡り合って邂逅して
運命は少しずつ動き始める
「う~ん!やっぱり、うまぁい!」
「ちょっと、リン!食べながら話すのは流石に・・」
「よいではないかぁ~!よいではないかぁ~!」
『あぁ・・!それ殿様がアレをするやつだね』
「「???」」
(おや?)
グルメ施設に無事に辿り着き、それぞれ皆、食べたい食事を持ってきたら始まった一幕だったのだが。
『えっと、これも失伝している?』
「あぁ、少なくとも俺は聞いたことはないな」
「私もです」
「私も~」
3人とも同じ反応を返して来た。
「あっ!な、ナビは分かりますからね!”私だけ”は!」
”えへへ・・”っと、ちょっと嬉しそうに反応しているナビが居た。
そんなナビの前にも当たり前のように”食事”を持って来ていた。
「私も皆の食べている、ご飯、気になっていたのです!」
(ずっと、気になっていたんだな…)
「とりあえず、そろそろ話を始めましょうか」
感激しているナビが居る中、マリからの言葉を合図に、明日からの、自分が通う学園生活の確認を始めるのだった。
ーーー
(な、なるほど)
食べながら確認したのは以下の点だった。
・クラス分け
これは3人と同じクラスだった。
バルとレイも一緒らしい。
・基本的には明日から講義が始まるとの事
これは世界の情勢、魔法紋についての作用、訓練(これは純粋に戦闘訓練らしい)他は、旧世界と学習内容は大まかに変わらないようだった。
外国語に関して聞かなかったので質問をしてみた所“光、闇”の属性を用いてテレパシー的な送受信が出来るので大丈夫との事。
苦手な人は”フィットホン”を使ってるとの事で、その時ヒューズさんの顔が浮かんだのは内緒だ。
そんな所らしい。
後はもう1つあるらしいが、それは明日の講義にて話すとの教師陣の説明だったらしい。
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「そんな所かな?」
シュンが、そう締めくくっていると、遠くで”また”ざわめきが聞こえてきた。
ざわめきの起きた場所を見たら、バルとレイがおり、周囲の雰囲気は剣呑としていた。
一瞬、こちら?いや、シュンの方を見た気がしたが近づいてくることも無く、バルとレイは離れて行った。
そして、それに合わせるように数名”怪しい者たち”も移動していた。
姿が見えなくなったところで周囲の空気が弛緩されたのが感じられたが、シュンも同じく緊張していたのか、その緊張が解かれていくのが分かった。
「そ、そういえば!シエル様・・!あぁ、す、少しだけお待ちを・・!」
よほど美味しいのか小さな口で”モグモグ”と頑張って綺麗に食べ終わった後に、ナビが話しを始めた。
世界の言語の隔たりは魔法という奇跡で解消されている
しかし、今や黒い渦の影響か長距離的な通信のやり取りに阻害が発生しており
外国間とのやり取りは非常に難しいものになっている




