『絡まる運命⑬』
それは巡り合う運命だったのか
彼ら彼女らの運命は、少しずつ廻り始める
「・・・えっと、どう反応を返せばいんだ?」
部屋に着いて早々の、最初のシュンの反応がそれだった。
「あの・・えっと、ナビと言います。契約精霊の・・」
おずおずと、ナビが進言する中、ずいずいとシュンは自分に近づいてきた。
「シエル?なぁ・・、ここは”男部屋”とか・・、じゃないな。それ以前だ。いや、教師陣に囲まれて、医務室に運ばれてる姿も見たし、すぐにその後、軍関係の人が来て、警戒網を敷いていたのも、確かに俺は見た。見たけれども・・”これは”あんまりじゃないか?!」
「えっと・・?」
ナビが困ったように首をかしげるのを見て、シュンは固まっていた。
「いや、シエル。説明してくれ、えっと”精霊”・・・なんだよな?えっと、普通に”女の子”それに”美”少女にしか、俺の目には映ってないのだけれども、俺の目がおかしくなったのか?」
『いや、シュン。すまない、シュンの目はおかしくもなっていないし、その認識というか感じたことは正しいよ』
”なんだと・・”っと言いながら、驚いた顔を隠しもせずに、シュンがナビを見ていると。
「あのぉ・・シエルくん?無事でしたか?」
”トントン”とノックの音と共にマリの声が、続いて”私だよー!リンだよー!開けて貰えるかなー!”っと、リンの声も聞こえてきた。
”ふむ・・”向かいの部屋だから、帰って来たのが分かったのだろうか?
シュンに入室させても良いか、同居してる面もあるので、確認を取ろうと見てみたが、まだ”フリーズ”から戻って無かったので、勝手ながらドアを開けさせて貰うことにしたのだった。
ーーー
「えっと・・?」
「・・・可愛い!」
最初がマリの困惑、リンは早速獲物を見つけた目のようになって、ナビに触れていた。
「わっ!人間みたい!服は・・、普通に売ってるもの?あれ?でも”あの時”は薄い白銀のワンピースみたいなのを着てたような?」
流石、リンというべきか色々と触りながら、匂いとか肌触りとか、全てを細かく確かめているような・・・。
「す、すみませ・・、くすぐった・・、恥ずかしいです・・」
(うんうん、感覚を共有してるから、薄っすらとわかっていたぞ)
”あっ!ごめん!”っと、リンもその声を聞いて離れた後に”?マーク”を顔に浮かべていた。
「やっぱり、話せるのですか?」っと、今度はマリが恐る恐る近づきながら、ナビを”ジッ”と見ながら、質問をナビにしていた。
「え・・、と?話せ・・、ますよ?」っと、コテンっと首をかしげながら答えるナビを見てか、警戒を解いて、マリもナビに触れ・・、抱きついていた。
「わぁ・・、本当に”人”みたい!」
「あ、あの・・、恥ずかしい・・です」
”くっ!!俺も・・・!”っと、声が聞こえ、背後を見たら、凄く・・・凄く!何かに耐え忍んでいるシュンが居た。
「だ、だめです!私は、シエル様”だけ”のものですから!」
”!?”
(おぅ?!)
シュンの声が聞こえていたのか、すぐさま否定の声をシュンに返したナビを見て、また、シュンがフリーズに突入していたが。
(ちょっと、お待ちなさい、ナビさんや・・)
マリとリンの”えっ!”みたいな顔が、同時に自分を見たのも分かってしまった。
「えっと・・?」
ナビが困ったようにオロオロし始めると、まずはフリーズから立ち上がったシュンが一言。
「シエル、流石に全部とは言えないかもだが、箝口令が敷かれてるのも分かっているから。でも、出来れば教えて貰いたい。っと、いうか貰えなかったら、俺が困る」と言い。
「それなら私も!」っと、リン。
「私も・・です!」っと、マリ。
外は帳が落ち始めており、今日は長い夜になりそうな予感が既にしていた。
助け合える仲間が居たのが先か
助け合える仲間が出来たのが先か
それは、どちらかは分からない
けれども、シエルには既に、そんな仲間が、そこに居たのだった




