表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/371

『絡まる運命⑪』

密談。


それは守る為。


それは保険になる。


そして自由へのけ橋の切符にもなる。

「よろしいかな?」っと、少しだけ気まずい空気が流れる中、ガイウスさんが話を切り出した。


「色々と、そう、本当に”色々”と確認したいことがあるんだよ」っと、そう前置きしてガイウスさんは確認を始めた。


「あの場での”事象じしょう”は、私の権限けんげんを持って、情報の漏洩ろうえいを防いでる状況だが、正直、歯止めが利かない状態と言ってもいい」っと、ガイウスさん。


”教師陣でさえ、興奮していた人が居たくらいだからね”っと、ヒューズさんも声を重ねて掛けてきていた。


ーーー


確認された点は、以下の事だった。


まずは、今の状況のやり取りを見て、その女の子、精霊とは既に知り合っていたのか?


次に、召喚起動紋が”発動した形跡けいせきが無かったこと”それも分かってやっていたのか。


更に、初めて観測された”魔力回路”水晶を見ていた者には誰も伝えないようにとは言ったが、初の”6つの属性回路、及び、精霊紋”の”等分とうぶん”の回路が見られたこと。


後は、純粋な自身の魔力量の把握はあくについて。


そして、”初の完璧な現実化マテリアライズ”された精霊の存在。


ーーー


「はぁ・・・」


ガイウスさん、ヒューズさん、ともに頭をかかええてうなっていた。


ナビと相談し、”包み隠さず”お互いに分かっている状況を、ガイウスさん、ヒューズさん以外を人払ひとばらいして貰い、話すことにしたのだった。


「・・・っとなると、そちらの”ナビさん”いや、精霊に名前、それさえも初の事なのだ」っとガイウスさんは、そう言葉をこぼした。


この世界には、精霊に名前を付けるという概念がいねんは未だに無いらしい、せめて、あるとしても各エリアを統轄とうかつしている疑似精霊”マザー”だろう。


それさえも人工AIという側面もあって、名付けというか呼び方が統一されているふしがある。


「えっと、そうなると僕と知り合ったタイミングで知り合い。そして、その夢?では、まだ知り合ってなかったということかな?」っと、こちらはヒューズさんからだった。


”はい”と受け答えをしつつ、補足ほそくしながら説明をし、その度にヒューズさんは”うんうん”とうなずいていたが、”夢の話”は他言無用たごんむようの方が良いとの見解けんかいだった。


やはり、旧世界の情報は、未だに部分的の把握はあくになってしまっているらしく、そこまで詳細な事まで知っているとしたら”ヒノモト、この国の中枢機関から情報をサルベージしてしまっている可能性がある”との事で、それはガイウス大叔父さん”元帥げんすいの権限”を持ってもかばいきれるか分からないとの事だった。


ーーー


話は続いていく。


「シエルくんはそうなると、あの場の事件、そして、トーリとカーラの2人の”何らかの術式”により守られ、そして、その発動の為に”あの場の全て”をトリガーにしたというのか」っと、ガイウスさんは、どこか驚きを隠せないまま、念のため確認をする。


”普通だと、そんな魔力量を耐えられる事も、発動の維持も出来ないはず”と、ガイウスさんが続けて言ったところで。


「それは私が、その場にて魔力ネットワーク、シエル様、私にて、相互回路を作る事で”毎度強く、そして、また組みなおす”を、全てを同時並行で行いました」っと、ガイウスさんの疑問にナビが答えていた。


「そんなことが・・いや、軍の救助隊が言っていたな。救助の際にシエルくんは”白い結界”に守られていたと、その結界は近づいてみた隊員がうには、術式みたいな模様もようが描かれていたように見えたが、確認しようとした際には”溶けるように結界が消えてしまった”ので、不確かな部分は報告書には情報を書かなかったと」


もしかして、それがナビさんの言う「生き残るための守り、そして、術式の発動クリアの為の”毎度強く、組みなおしていた”結界と、術式の答えだったという分けかい?」っとガイウスさんが、重ねて問い掛けていた。


”はい”っとナビは答えながら、そして、精神世界”夢”の部分に関しては、あまりにもおさなく、事件の凄惨せいさんさに耐え切れない自分の魂を”保護、回復”させる事が目的だったと伝えていた。


そして、現実化マテリアライズに関しては、ナビも考えてみたところ。


”夢”と”シエル様”を通して、シエル様を素体に、”クオリアの獲得かくとく”そして”魂”と言われる概念がいねんを自分にしょうじさせたのではないか、結果”現実化マテリアライズ”にこぎ着けたのではないかという事だった。


ーーー


「ナビさんの事、魔力回路については、事件のトリガーが背景かも知れない事、魔力量もそれに平行して有るのだろうという事までは分かった」


”後は、ナビさん。あなたの事が、ナビさん自身はどこまで把握はあく出来ているのかな?”っとガイウスさんは、ナビに問いかけていた。


”そうですね・・”そう前置きをして、ナビは自分の分かる範囲を確かめるように行動してみた。


「暖かい・・、のは分かります」


”ピトッ”っと、自分のほっぺたにれるナビが居た。


「・・・美味しい」


”コクコク・・”可愛い音を立てながら、ベッドわきに置いてあった水を飲んでみるナビが居た。


「”現実化マテリアライズ”・・・」


”スゥー”っと着ていた服のそでを短くしたり、長くしていたりもしていた。


「これは魔力層に干渉かんしょうして”魔力を現実化”することによって、可能みたいです」


自分、ガイウスさん、ヒューズさんにて、現実化マテリアライズされた服のすそさわってみるが、実際の服と遜色そんしょくは無かった。


「んー・・、むむむ。んーー!ダメみたいです」


そう言いながら、服の色を変えられるか試してみたが、結果は髪色と同じく”白銀”の色からは変えられない事。


ただし”現実化した服は消すことも出来るみたいなので、普通の服も着れられるでしょうけれども・・・”っと言いながら、ナビは言葉を止めた。


「・・・恥ずかしいのでダメです、シエル様だけになら・・、その」っと言ったところで”コホン”とガイウスさんがせきをして場の空気をにごしてくれたが、ヒューズさんは所在しょざいなさげになっていた。


「後は・・、試してみます・・」


”スゥー”っとナビが目の前から消えていった。


(「シエル様・・?」)


『おぉ・・!?』


(「ふふ」)


っと、笑い声を感じたところで、先程さきほどまでの場所に、そっとナビが横になった状態であらわれた。


「私自身も、服と一緒で可能みたいですね」


”先程の水・・多分、食べ物もそうなると味覚は感じるけれども、その後は魔力にて変換されてるかもです”っとナビが言い、実際に消えた時に感じたようだった。


『そういえば・・、離れていても、一緒でも魔力の保持は共有リンクしているみたいだね』


「そうみたいですね」っと、ナビと共に、魔力量、回路、強度についても、見解けんかいをすり合わせる。


「ふむ」っと、ガイウスさんも思案顔で、その姿を見ながら考えているようだった。

そして、シエルはガイウスさん、ヒューズさんに打ち明ける


幸いなのは、どちらとも知り合えていた事だろう


何かが足りなかったら、きっと、この運命はこぼれていただろう


何事も気付いた時には、奇跡的なバランスで、平和がそこにあるのだろう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ