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『リアル④』
夢は、唐突に覚めるもの
覚ます〝存在〝が居ることは
誰も、覚えていないだけ
『さて、と──』
エレベーターで、階下に降りれば、世の栄華の極みであるだろう、コンビニ様が居らっしゃる。
(コンビニだけは、俺を明るく照らしてくれるのかね……)
とりあえず、まだ寒いこの季節。
”ふと”スマホを見たら、2月の5℃を指し示していた。
(やっぱり、寒いな……。もう一枚、羽織ってくればよかったかな)
俺はとりあえず、階下から呼んでいるエレベーターを待ちながら、スマホから目を離し──
『ッ──!』
(なんだ?)
一瞬、痛みを覚える頭を手で押さえて、視界の確認をする。
(偏頭痛か……?)
いや、急な痛みだけれども……〝普段〝とは何かが違う。
(とりあえず、後で痛み止めでも飲んでおこう)
そう思い至った時、丁度エレベーターが到着し、俺は寒さから逃げるようにエレベーターの中にへと急ぎ乗り込んだのだった。
そのエレベーターは至って”普通”の変哲もないエレベーターだった




