『絡まる運命④』
さぁ、出会える時まで後少し
でも、出会い方は理想的になるのかは
それは、誰にも分からない事
ただ、出来うるならば素敵な出会いになるように祈るのみ
(つ、着いた・・)
ホームからは、学院エリアではバスのタイプの魔力車の運行が認可されており、皆でそれに乗車し、これから自分たちが通うことになる中学校・・?に辿り着いたのだが・・。
『広いな・・』
目の前に見えるのは大きな城門だが、その奥に見える光景は広大な敷地内に幾つもある建物だった。
それに建物も、和洋中というのか、色々と合わさっているのが目に留まった。
「まぁねー、私たち学生の人数を考慮したら、こうなっちゃうとは思うよ」っと、隣で一緒に歩いていたリンから、そう言葉が返ってきた。
「ま!とりあえず、今は早く講堂に行こうぜ!」っと、シュンが”とりあえず”と前置きをして、言葉を投げかけるのを合図に、自分たちは入学挨拶の行われる講堂へと向かうことにした。
ーーーー
『幼稚園・小学校・・中学・高校・それに大学生の皆さま・・・』
”では良い学院生活を”
それを最後に、講堂に集まっていた生徒たちの前に現れていた、この学院エリアを担当しているであろう”マザー”が挨拶を締めくくっていた。
ちなみに、マザーの姿はやっぱり少し違う。
人型が主だとは聞くけれども、学園寮エリアのマザーは半透明で、少しピンク色のロングの髪の女性型の疑似精霊だったけれども。
こちらで、挨拶をしていたマザーは同じ半透明だが、淡い水色のショートボブの髪の女性型の疑似精霊だった。
「それでは今年の新入生の方々。魔力、適性属性の測定、及び、契約精霊の術式後にて、各々(おのおの)の能力、適正に見合ってのクラスも割り振りますので、まずは訓練施設の方まで・・!順番、及び、番号は入学証明書の方にて、記載の通りにお願い致します!」
(”風系統”の魔法なのかな・・?)
声が空間に響いていた。
(・・・番号か)
重い頭を働かせて、入学証明書のデータを脳内で可視化する。
”ヤバいな・・”頭がクラクラし、熱が上がってる感じもしている。
「シエル、大丈夫か?」っと、シュンが隣で声を掛けてくれてるが、しっかりと頭に言葉が届いていない自覚はあったが『あぁ、大丈夫』っと、少し無理して笑みを浮かべ、マリとリンにも心配されながら、測定を受けに、皆で訓練施設の方へと歩を進めるのだった。
マザーの姿はエリア毎で”異なる”
まるで、同一存在など居ないように
そして、シエル達は遂に入学へと歩みを始めた
果たして、魔力量や、適性、強度
そして、契約精霊はどうなるのか
それは、これから分かっていくのだろう




