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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫中学編※その出会いは偶然?「もしくは必然?」

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『絡まる運命①』

運命は1つではない


幾つもの運命が複雑に絡みあっているんだ

【回想】


ーーー


≪side:シュン≫


最初はやっぱり、あの白銀の髪に目が行ってしまったのを覚えてる。


そして、どんなやつかと、最初の印象は”はかない”感じだと思った。


それはまぁ・・、当たっていた。


案の定体力は無くて、無理をしていたのか、こっちもハラハラしていたのは覚えているし、支える場面もあった。


けれども、それ以上に、見た目や外見以上に、内面は”したたか”だった。


俺は正直、自分を弱い人間だと思っている。


シエルは俺の事を見て、立派な鍛えてる体と言ってたが、それは見かけの話だ。


内面は、あのバルと対面した時に、やっぱり気づいてしまった。


震えていたのを覚えてる、何とか気取けどられないように、体裁ていさいを整えているので精一杯だった。


バルはそんな俺に気づいていたようだったが、シエルはあんな状況だったにも関わらず、俺だけじゃない。


あの場に居て、そして知り合った、マリ、リンも守るように、その立ち位置も計算していたのか庇ってくれた。


今、思い返すと不思議なやつなんだ。


あの、いわくつきのブリッケン技師の商品を購入手続きに入ってる時や、探し当てている時も、どこか自信が垣間見かいまみえていて、そして達観たっかんしているふしがあった。


そうだ、最初は俺は守ろうと思って、この寮に来たのだけれども、ふたを開けてみたら守られてるのは、きっと俺の方なんだろうな。


なんだか、シエルと居ると自然と安心感と、胸の暖かさを感じるんだ。


そして、何かを起こしてくれる。


それが当たり前だと、思えてしまう予感を感じてるんだ。


・・・そう言えば、今日は部屋への戻りが遅いな。


明日は入学式だぞ?


そうだ・・、シエルはしっかり者だと思ったら、実はというか、大抵は凄い”うっかり”さんみたいな所があるんだ。


”また”どこかで、うっかりを発動してるのではと・・、不安になり始めた自分がいた。


ーーー


≪side:マリ≫


不思議な人、そして噂以上に、変な人にも思えてる。


”変”というのは悪い意味合いではなく、その、良いほうでという意味だ。


白銀の髪・・でも、あの時、良く目を見ていたら、うっすらと”瞳の色”も白銀みたいに”変わる”時があった。


始めて会った、あのグルメ施設の時に、気づいた事だった。


目が離せなくなって、ずっと見てしまっていた。


だから向こうが、シエルくんが話しかけて来てくれて、知り合う機会が来たのだけれども、全くの偶然だ。


リンの荷ほどきが遅くなって、あの時間になっただけだったのだから。


そう思うと、リンには感謝なのかも知れない。


でも、確かに私は見た。


私は他の人には言えないけれども、特殊な家系であり、変わった適性だからだろう。


あのシエルくんが”ふらつく時”に彼の身体の魔力を使って魔法を行使してる事、そして、その際に”瞳の色”が白銀に少し変わっていたのを、そして驚きなのはその後、微弱ながら周囲の魔力層から魔力を”変換”して自身の体内に保管していたところだ。


周囲の魔力を使うのは、日常的に行われていることだから違和感はないけれども、それらを自身の保管している魔力から行使、または、溜め込むのはそれなりに魔法と”触れ合って来た”人だけだろう。


だから、その周囲の魔力を微弱に”調整”して、多分気づかれない為だろう、取り込んでいたのを私は内心、驚いて見ていたのだった。


でも、そういう部分を抜いて・・、あの時のシエルくんは、個人的にも”かっこいいな”と思ってしまった。


ちょっと儚い印象もまた、それも魅力を引き上げてるのかな?


・・・何を言ってるんだろう、私は。


とりあえず、寝ないとね。


ーーー


≪side:リン≫


明日から入学式か・・。


なんだか、随分ずいぶんと自分の考えていた展開とかけ離れていて、未だに日々驚きの私がいる。


隣のマリの存在がそうだった、お互いの紹介の時に家庭の事は上手く話せないと言ってたけれども、私も似たようなところはあった。


でも、マリの事についてはある程度の憶測おくそくはあった。


”お爺ちゃんがリンの入学の年は凄いぞ”と、例のバル、シュンくん、そして・・、シエルくんまでは、皆が話してることだけれども。


お爺ちゃんは私に”秘密だから他言無用だぞ”っと、言って”高貴な方”も入るらしいと教えてくれていた。


そして、もし自分の目で見て確かなら、ギルド職員の子だからとか関係なく、国の為にも守らないといけない存在だとも言っていた。


マリ・・?あなたは、その”高貴な方”なのかな?


私も人の事は言えないけれども、そう・・、私は自分でもルーズな所があると思うけれども、マリは、どこか”抜けてる”所がある。


でも、基本的にはしっかり者なのだけれども・・、まぁ、でも、基本的に堅い印象の子だから、お気楽な私とはつり合いが良いのかな?


それにしても、シュンくんは私と似てるような境遇で大変そうだけれども・・。


シエルくんは未だに”掴みどころ”の無い人だ。


たまに、ちょっと思考の海にもぐってるような時もあれば、何か自信があるのか、行動を起こしてるふしも見て取れる。


そして、儚い印象で、印象のままだと思ったら、バルと対面した時は私たちの事を庇ってくれていたし・・・。


・・コホン、少しだけ体の体温が上がった気がするけれども、気のせいだよね?


最近というか知り合ってから、あれかな、シュンくんとか、周りを意識してるのか。


本人にも、体力が無いのを自覚してるからなのか、この夜の時間帯は訓練エリアで、身体を鍛えてるみたいだけれども・・、明日あした入学式なのに大丈夫なのかな?私はそっちを心配するのだった。


それに1年間寝たきりで、目覚めてまだ半年も経っていなくて、それだけでも、こうやって動けてるのは凄いことだと思うのだけれどもなぁ。


・・それに、あの、どこか華奢きゃしゃな体型も良いと思う自分も居た。


ーーー


≪side:バル・レイ≫


・・・親ギルド派は・・


・・親ギルド派は


・親ギルド派は・・


暗い部屋の中、ブツブツと、つぶやく声と。


”クハッ”っと、何かにあえいでいる、禁断症状が表れて、苦しんでいる、女の子の声が、ただ、闇に溶けるように聞こえていた。


”っ!”


時間だ・・”餌だ”そう言って、薬を投与する。


なんの薬かなんて、知らなくていい。


必要だったら父様が教えてくれるだろう。


・・・


そして、また父様から預かった”ペンダント”を握る。


そう、この時間に近くなったら”握らないといけない”と思えるのだ。


そして、意識が落ちるまで、今日もまた、ペンダントを身に付けながら眠りにつくのだった。


ーーー


≪side:ナビ≫


やっと・・、やっと”会える”


その時まで、もう少し。


ふふ・・、驚くかな?


それにしても・・、と思う。


私の自我は、いつから生まれたのだろうと。


そして、シエル様を見て思う。


私を生み出してくれた、願ってくれた、シエル様と魂の色?形?があるとしたら似てると思うと。


似てるというよりは資質が同じだから、あの夢の環境下の中でも同じように、強く優しい方になったのかな?っと。


そして、私の資質は・・、素体はシエル様なのかな?っと。


私はシエル様から生まれて、そしてシエル様が好きで、そして、これからも・・・。


・・・恥ずかしくなってきた。


それにしても、と思考を切り替える。


魔力の層を広く浅く見ながら、魔力の通りを見ていると”違和感”を感じていた。


最初はレイさんを、観察していたから気づけたのだろう。


定期的に、その付近のバル、及び、例の視認出来た怪しい者たちの気配の箇所から、その他、多数の所から、同じような魔法の行使の気配を感じるのだった。


それに”見逃してはいけない”ものもあった。


”契約魔法”それに近い・・いえ、これは禁忌と言われたものに近いものも感じていた。


薄く・・薄く・・そして、微弱に感じるそれは・・あの子”マザー”っと言われてる子にも分からないようだ。


うん、タイミング・・、おりを見てシエル様に話さないとですね。


”あっ・・でも”もしかしたら感覚を共有リンクしているから、もしかしたら薄っすらと分かっているのかな?っと考えたところで、気が付いてしまった。


あれ、・・・そうなると私のこの”好き”って気持ちも・・・。


”まだ”実体が無いから分からないけれども、暖かく?なるような、もだえてしまった私が居た。


・・・あ、落ち着かないと、またシエル様に影響が・・。


ーーー


・・・


えっと、俺は・・、どうすれば?


いや、駄々だだもれという事はないけれども。


こう・・たまにれ出るように、ナビの思考がこっちも分かる事が増えて来ていた。


多分、予想だけれども、訓練エリアで身体を鍛えてる影響か”健全な精神は、健全な肉体に宿る”とは言うけれども。

 

多分、肉体の状況が”質”が良くなって来ているのに、引っ張られるように精神、回路や、その他の感覚が研ぎ澄まされているのだろうと予測する。


・・・うーん。


と、とりあえず・・いや、明日は入学式だけれども。


もう少しだけ、すぐにはシュンのようにとは行かないけれども。


もし、何かあっても自分1人だけの時でも、上手く立ち回れる位には体を鍛えたい。


それに、今はナビの反応に困る。


もう少し鍛えながら、意識を”無”にしよう・・そう思い至り、限界まで頑張ってみる事にした。


それがあやまちだったとは、明日になって俺は知るのだった。


何事も”程よく”が大切なのだろう


大事なイベントの前に無理をすると


それは、反動が大きいものが返って来るのでしょう

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