『巡り会うもの達⑭』
大丈夫、もう1人じゃないから
1人で駄目でも、2人なら乗り越えられる
『あ、ありが・・と・・』
もう、無理だ・・。
シュンにお礼を述べた頃は、外は、既に暗くなっており、部屋は見事に”ブリッケンさんエリア”になっていた。
流石のシュンも疲れたのか、軽く微笑んで、返事を返してくれた程だったが、それ以上に、物を転送にて取り出している姿に、驚いていた様子だった。
ナビ曰く、多分、魔力効率的に見て”あり得ない”状況だから、驚いているのだろうという予測だった。
ただ、もう既に、疲れ切っていた自分は”なるがまま”に全てをこなそうと、そういう”自制”という部分は、ショートしていたのか、どんどんと、保管エリアから転送して取り出しては、シュンに手伝って貰いながら、荷ほどきを決行したのだった。
ーーー
「シエル、遅い夕食になってしまうけれども・・、食べに行かないか?」
シュンから、そんな言葉が、お互いに少し休んで、一息ついた時に提案が来た。
『確かに、言われて気づいたよ。お腹・・、減ってるな・・、でも、どこで?』
”ん?”っと、シュンは首を傾げつつ、”あぁ!”っと、何かに1人で納得しながら、シエルは”急に、ここで暮らすのが決まったからな・・”っと、前置きをして、学生寮エリアの話をしてくれた。
ーーー
学生寮エリアといっても学生寮だけが有るわけでは無く、それらをサポートする、学生たちをフォローする施設は、多く存在している。
先程、転送等に使っていた。
銀行、輸送関係の支部だったり。
ギルド、軍関連の支部、軽い生活用品、又は雑貨、入浴施設、食品類、及び、グルメ施設。
そして、気になる施設【訓練施設】もあるみたいだった。
身体・・、鍛えないとな・・、それにしても、いや、普通に寮と言うよりは、もう学生の街だな。
そして、寮に関しても派閥みたいなのがあるらしく、ギルド派、軍派、間の中立派なんてものもあるらしい。
(ややこしいことだ)
シュン曰く、ここの寮は、中立派らしい。
少しだけ、派閥の話になった際に、シュンの顔に陰りがあったが、予想するに多分、シュンの親ギルド派の、軍の大将の息子という立場故に、表立って親ギルド派と言えない環境の、軍の派閥の寮だと、何があるか分からないだろうし、ギルド派だって、軍に反発している者も、当たり前だが存在している。
結果として”ここしか”残っていなかったのだろう。
陰りを見せた際は、自分でさえ、気づかない内に、シュンの肩を叩いて『大丈夫だから』っと、言っていた。
”何が?”とか”どうしてそんな行動を?”と、自身でも思ったが、如何せん自然と、体が、口が動いていた。
「ありがとう」っと、シュンもどこか嬉しそうな、戸惑うような表情になっていたが、すぐに明るい表情になって”とりあえず行こっか!”っと言い、それを合図に、まずはグルメ施設を目指すのだった。
学生寮エリアのグルメ施設
それは大きい施設
美味しい料理、コスパの良い料理
素敵な場所なのだろう




