エピローグ②
また、あれからだいぶの時が経った──。
子供達は大きくなって──。
それぞれ父親、母親の後任を継いでくれていた。
そう、そして残されたのは──。
『結局、やっぱり僕たちが一番最期だったね』
「はい、シエル様──」
ナビも今は僕と同じように歳を重ねていた。
『僕と真似なくても君は美しいままでも居られたのに』
「私は自然とシエル様と同じ時を過ごしたいと思ってしまうので、同じく年老いた姿になってしまうのは仕方の無いことです」
あぁ──ナビの愛は深い。
長く永く連れ添うなかで、それは確信よりも深いものになっていた。
『そっか』
「そうです。それにシエル様と私の魂は同じなので……」
『精霊なのに、難儀な運命でごめんね』
「いいえ、私はシエル様と一緒に居たいのです。終わりも一緒が良いのです」
そう、精霊は基本的には不滅に近い。
けれども、ナビは魂が僕と一緒だから、僕が死ねば……ナビも──。
「あの時食べた──スイーツ美味しかったですね」
『あぁ、この世界に戻ってきた時のか……』
2人っきりで、夜に出掛けては特等席で食べたスイーツ。
精霊が舞い踊っては、世界は魔力で輝いていた夜の世界。
「シエル様──また、また……一緒になれたら──私は……」
『そうだね、また一緒に食べよう』
「はい──」
『ナビ──眠たくなって来たよ……』
「ふふ……私もです……お休みなさい──シエル様──」
そして、僕とナビは普通の人よりは多少長く生きてしまったけれども、その生を終えるのだった。
でも、この世界は巡っていく。
そう、自然に緩やかに暖かく幸せに──。
そして、新しい物語が終わること無く続くのだろう。




