エピローグ①
世界は大きく変わった。
そうあれから、本当に大きく。
各国ではそれぞれの守護龍が暖かく見守っては過干渉は良くないと約定を決めては遠くから見守っている。
例外があるとすればロイアだった。
暫くは国が安定して女王のエルがしっかりと地に足が着くまでは漆黒の龍がサポートしていた。
それも昔の話で、今は諸外国の外交もあって漆黒の龍も同じく遠くから見守っている。
大星の龍は力を使いきったのか、その上には大自然が産まれては精霊の国になっている。
そこには暗黙の了解でティターニアが統べる世界が出来上がっていたが、普通の人は精霊の干渉もあって容易くは近寄れないようになっていた。
そう、諸外国の外交だ。
通信や魔力──全てが通るようになり活発に外交が進んでは発展していっている。
今は過去のデータも掘り起こしては魔力とのハイブリッドの世界が成り立っている。
そして、僕は……いや、私はというと──。
「ほら、パパですよ──!」
「うちの子も可愛くなったよねぇ──」
「私の子も──」
うん、見事にマリとリンとレイと結婚しては子供を授かっていた。
問題があるとしたらマリだろうか。
一時期は誰が父親なのかと世間を賑わせたが、ハンネスが気を利かせては自分がパパ説を世間にこっそり交えて流しては、暗黙の了解で自分がパパとなっている──いや、正しいのだが。
「真実とは多くの嘘の中でこそ、真価を発揮するのですよ」
と、言っていたのが印象だった。
そんなハンネスも今は引退してはその国の暗部組織はバルが引き継いでいる。
そして、幼馴染みのシュンは軍の今はNo.2になっていた。
No.1? それは未だに現役のムシュタルさんだ。
まだ息子には任せないぞ! っと息巻いてるというが──2人とも結婚しては子供が出来て、最近は孫の可愛さでムシュタルさんも──。
「いや、やっぱり引退だ! シュンは立派に育った!」
と、言っていたらしいので引退も秒読みだろう。
ガイウスさんと、ドルマンさんは旅立ってしまった。
ドルマンさんの後任はイアンさんが引き継いでいる。
リンクスからギルドへと組織変えは揉めたかと思えばスムーズだった。
そう、リンがギルドの支部長を勤めていたが、流石にギルドマスターは早いとなっていた中での白羽の矢だったのだ。
その変わりにリンクスは僕が引き継いでいる。
そして、サポートの秘書にはレイが就いてくれた。
同じくブリッケンさんも旅立ってしまった。
だが、あの工房は今も動いている。
理由はシリウスがマザーとして解き放たれた結果、工房を継いだからだ。
人型になっては今も鍛冶をしていたり、工作に没頭している。
人型はイケメンなので、たまに商業誌に載ってる位だ。
そう、マザーはシャドウという危険が取り払われて──今はその任を解放されている。
だが、学園寮のマザーのドリーさんはそのまま学園寮で働き。
学院のマザーのアミーもそのまま教職を取っては弁を振るっている。
女王の守り手でもあったシロはそのまま今もマリを護っている。
特殊なのはヘルメスだろうか?
人見知りな1面もあったが今は配信者として、その界隈を賑わせていた。
そして──ナビは……。
「ほら、危ないですよ……」
子供の1人が躓いて転びそうな所を支えていた。
「ありが……ナ──ビ……」
今はまだ舌足らずだが、いつかはハッキリとお礼を言えるようになるのだろう。
そう、ナビは今もずっと僕の傍に居てくれている。
ナビとの子供は──いや、多分望めば産まれそうだとはお互いに思っていたが、作らないと決めたのだった。
きっと、深い業が授かってしまうだろうから。
僕たちは女神様には感謝している。
女神様は罪だと……業だと言っていたが、僕らからしたらそうとは思わなかったから。
けれども、僕たちの子供が出来たとしたら──それは分からないから。
人と精霊──いや、僕たちの場合はもう少し特殊か……。
そうなるとこの子達も色々と不思議な力を授かっていたが……多少人より魔力が強いとか扱いが上手いとかの範疇なので大丈夫だろう。
うん、大丈夫だ。
そして、やっぱり──緩やかに時は過ぎ去っていくのだった。




