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終わらない物語~白銀の始まり~(魔力事件……世界は終わりへと進むのか、又は歩み続けられるのか──ここから選択を始める僕の物語)  作者: 御伽ノRe:アル
≪ヒノモト≫高校編※【ギルドと恋とチョコレート戦争】

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黒い渦37

「前方……中心部──黒い柱……宙に黒い渦と連動してる箇所が──」

通信が断続的に聞こえて来ているが全てを聞ける余裕は既に無くなっていた。


「ハク──もう少し進めますか?!」

「無理だ……! 我でもこれ以上は……来るぞ!」

シャドウの群れの一団から黒い粒子の力が幾重にも放たれて来るのをハクが咄嗟に避ける。


『──そこ!』

避けた後に転じて一気に攻勢に出て先ほどのシャドウの一団を横薙ぎに殲滅するが、直ぐに後方からもう2陣目が見えていた。


周囲は混迷を極めていた。


「シエル様──! このままではジリ貧です!」

『打開策を見つけないと──』


だが、どうする?

自分達でさえ、次から次へとやってくるシャドウの群れに押され始めているのが現状だった。


「待たせたの──!!」

各場所でもジリ貧から押され始めては脱落しそうな所、通信から少し前までに聞き慣れた声が大きく聞こえてきた。


「ローレンだ! 灼熱の龍と一度──切り開く! 体勢を立て直すのだ!」

「イーリス隊──聞こえたな! 一度、戦場を離脱……」

「ヒノモトも合わせて……」

「シエル様──!」

ローレンさんだ……!

それに合わせて通信からはそれぞれの指示が的確に伝わってきていた。


『ハク──! 一度、射線から離れる……!』

「あぁ──!」


『ナビ……! 周りを一度──!』

「はい! 両断します──!」

スッ──と一度、ナビが精霊剣を構え直しては抜き放ったら一気に白銀の衝撃波で周囲のシャドウが殲滅される。


そこだッ──!

遠くの撃ち漏れた一団は自分が精霊剣からの斬撃を飛ばすことで一掃する。


「掴まれ──! 離れるぞ!!」

周囲の龍たちも既に離脱していた。

ハクが離脱へと転じた所に灼熱の巨大なブレスと合わせて大型複合魔法が炸裂していく──。


「ヒャッハー!!」

「野郎ども! 周囲を確認せよ──! 元帥の道を切り開け!」

超過力と言っても良いだろう。

リカニアの軍団が来て、戦況に一時だけ余裕が生まれた。


だが──。


「ッ──やはり、無理しおったか。シエルよすまぬ! 我はあいつを支えに行く」

ハクがそう言いつつ、自分達と離れては即座に羽ばたいては目標の下へと向かっていた。


その先は力を振り絞った結果なのだろうか、なだらかに墜落していく灼熱の龍が居た。


「シエル様──! 今が……いえ、今だけが最後のチャンスかも知れません」

シャドウがまたこちらに来るのは時間の問題だ。


ナビの視線を受けて思考はするが──。


『この力を皆にも分け与えられたら……』

「それをお望みですか……?」

『えっ──』

自分の独り言に返事があって、横を見るとそこには妖精の女王ティターニアが居た。


「ティターニア……」

「ナビ様──遅くなりました。リカニアと共に……かの灼熱の龍様を支えて来ていたので」

深々とこちらにティターニアは頭を下げてくる。


『それよりも……皆に力を分け与えることが……』

「はい、可能です。私の居る場所──それは精霊のテリトリーですから……!」


呼んだ……?

呼ばれた?

白銀の──?

んー?

懐かしい気配がする?

キラキラ? ピカピカ……?

黄金……?


ティターニアの周囲から精霊のテリトリーが生み出されては形成されていく。


「普通は黒い力の領域なのでしょうけれども、ここまでのルートは私のテリトリー……そして、精霊の場所です。シエル様──あなたが望まれるなら、私たちはその願いを叶えましょう」

さぁ、どうぞ……。


そう言ってティターニアは手を差し伸ばしてくる。

僕はその手を取って──。


『なら、願うよ。この僕とナビの力をこの場に居る皆に繋げてほしい──繋がりは僕らの強さだから』

「分かりました──」


分かった

分かった

繋げる

繋がる

白銀を──

黄金を──


精霊たちがザワザワと騒いでは周囲へと展開しては皆へと力が繋がっていくのが分かる。


「なんだ、これは──」

「エネルギーが急速に回復しております!!」

「シエル君の力です!」

「ナビの力──」

周囲の変化が劇的に変わっていっていた。


一番はハクが抱き抱えようとしていた灼熱の龍へも白銀と黄金の力が纏っては一気に浮上しては──。


「はぁ──ハッハッハ!! なんだこれは! 俺の力か!!」

「違うわ──シエル達の力だ」

共に急浮上しては横に飛んでいるハクから突っ込みを受けていた。


「傷が癒えていく……暖かい」

「風が……強く……」

「これがシエルの力か……ま、悪くないじゃん」

深海の龍、暴風の龍、漆黒の龍の言葉も聞こえて来る。


「前方奥──! シャドウの群れ確認──!!」

そして、次に生み出されたシャドウの群れの報告も同じく通信から流れてくる。


「我ら5体が揃ったか……」

「あぁ、俺──今ならまた放てるぞ」

「では、やりましょう」

「付き合うぞ」

「仕方ないな……僕もやるよ、なんだか気分が良いからね」

それぞれの龍が周囲の魔力……いや、白銀と黄金の力を──精霊によって繋がれた今は無限にも近い力を一気に纏めてはブレスを解き放つ──。


ズガガガガ──ズゴォォォーン────!!


先のブレスとは違い、一気に生み出されたシャドウの群れを一掃するのと更に貫通しては黒い力と融合しきっている大星の龍の障壁を破って黒い柱の中心地──そう、巨大な宙に浮かぶ黒い渦と繋がっている柱という核までのルートまでブレスは道を切り開いたのだった。

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