黒い渦26
「ありがとうございます──皆様が居なければ私は大事を……取り返しのつかないことをしてしまう所でした……」
そう、切り出しては深海の龍はこちらへと再度頭を下げてくる。
『身体の具合は……?』
「大丈夫です。どちらかと言われるとあなたの力なのでしょうか? これは女神様の……? 私の中で力が溢れてくるようです……」
「シエルと言うのだ。我を助けてくれた御仁で世界を救う方だ……。少し情報を共有しようではないか──」
「シエル──」
そう呟いて、こちらへと視線を向けてくる深海の龍へとハクは隣立つように降りては深海の龍へとこれまでの経緯を説明しているようだった。
「わらわもその情報を知りたいぞい? わらわが発した世界の危機の通信は無事に届いたのかえ?」
そう言ってエリザベスさんの飛行船も更に海面に着水してはこちらへと向かってくるのだった。
「あの通信は……エリザベス様のものだったのですね──」
「うむ、わらわが黒き穢れた渦の力と深海の龍の危機を察して警報を世界へと強制的に流したのと、わらわのイーリスの持ち得る全ての力で対応していたのじゃ」
まぁ、その強制的に世界へと警報を流せたのもシエルの両親殿のお陰なのじゃかな──。
っと、エリザベスさんは最期に言葉をこぼしていたのだった。




