黒い渦⑱
「なぁ……ハク、イーリスと言えば深海の龍と聞くけれども──どんなやつなんだ?」
「む……彼女か……」
どうやら、龍毎にも性別、年齢がまばらなのは今まで出会った龍を見ていて分かった。
「彼女はそうだな……穏やかなやつだな──」
そう、ハクは遠い目をしていて……ハクと共に背に乗っている僕らがイーリスの領海へと入った瞬間──。
「──ッ!」
ナビが慌ててバリアを展開する。
ズガガガガガ──!!
バリアへは深海から放たれた黒い力が襲い掛かっていて、バリアはどんどんと破られていた。
「ハク──?!」
「いや、まさか……いや、そうか黒い力に侵されていれば──皆掴まっておれ!」
皆が必死にハクへと掴むと、それを目安にかハクが速度を上げては海上から放たれる黒い力を回避していく。
『ハク──向こうだ!』
力を使わなくても分かる。
自分の指を指した方向からは魔法の炸裂する明かりが煌めいていた。
「掴まっておれ──!! 更に速度を上げるぞ!」
ハクがそう言うと同時にズシンと負荷が掛かってくるが白銀の力で緩和させる。
そして、一気にハクは魔法が炸裂している場所へと向かうのだった。




